「土地は現金で」その一言で損するところだった話 ― 店舗併用住宅と住宅ローン控除

住宅ローン・お金の失敗
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こんにちは。

元住宅営業マンまめおやじです。

住宅業界歴34年・宅建士・FP資格保有。元住宅営業マンだからこそ話せる業界の裏側を包み隠さず解説します。

今回は、ネイルサロンを開業されたお客様とのエピソードです。

「土地は現金で」と決めていた方が、実は住宅ローン控除で大きく損をするところだった、という話をお伝えします。

この記事はこんな人におすすめ
・店舗併用住宅を検討している方
・土地だけ先に現金で購入しようと考えている方
・お金の相談は後回しにしがちな方

1. 完全予約制ネイルサロン、母と同居、立地よりまず価格

このお客様は、親と同居されている独身女性で、ご自宅の一部でネイルサロンを開業される計画でした。

完全予約制のサロンなので、通りがかりのお客様を狙う必要はありません。

それよりも重視したのは「とにかく安い土地」。

価格を優先して土地を探し、先に現金での購入を計画されていました。

2. 会社選びが最優先、お金の話は契約が決まってから

正直に言うと、この方は最初、資金計画の詳しい話をあまりされませんでした。

まだ建てる会社が決まっていない段階で実情を話したがらない顧客はいるものです。

会社選びを最優先に考えていて、お金の細かい話は契約が決まってから、というスタンスでした。

これは実はよくあることで、特に会社員以外の方だと、収入の見込みや事業計画も絡んでくるので、

お金の話を最初から突っ込んで聞かれるのを避けたい、という気持ちがあるように感じます。

3. 契約後にわかった全体像。オーバーローンは自分で断っていた

契約が決まって、ようやく資金の全体像を掴めました。

話を聞いて分かったのですが、この方はオーバーローンのリスクをすでにご自身で理解されていました。

実際、複数の会社からオーバーローンを勧められていたそうですが、きちんと断っていたとのこと。

ここは正直、感心しました。

◆オーバーローン、なぜ銀行にバレる?その仕組みを解説

◆オーバーローンがバレるとどうなる?リスクを正しく理解する

一方で、土地についてはすでに契約済み。

手付金を原田状態で、決済(お金を払って所有権が移る手続き)はまだ済んでいない、というタイミングでした。

4. 不動産屋は「店舗併用は住宅会社へ」で線引きするだけ

なぜ、ここまで資金計画が詰められていなかったのか。理由の一つは、不動産屋さんの姿勢にあると思っています。

最近はネットで情報収集される方が増えて、不動産屋さんに来店してじっくり相談する、というパターン自体が減っています。

それに加えて、店舗併用住宅のような特殊な物件だと、「そのあたりは住宅会社さんとご相談ください」で線を引かれるケースが多いんです。

不動産屋さんにとっては、土地さえ売れれば取引は完了。資金計画やローンの組み方まで踏み込んでアドバイスする義務はありませんし、

実際そこまでやってくれるところは少数派です。

誰も悪いことをしているわけではないのですが、結果として「誰も教えてくれない」隙間ができてしまいます。

◆店舗併用住宅で住宅ローンを組むときに知っておきたいこと

5. 決済前とわかって、急いで銀行担当に相談

資金の話を詳しく伺い、土地の決済がまだ済んでいないと分かった瞬間、これは急がないといけないと思いました。

決済が済んでしまうと、後から土地建物の融資の組み方を変えるのはほぼ不可能だからです。

すぐに、私が信頼している銀行担当者に相談しました。

銀行担当者との二人体制で、このお客様に土地建物の按分プランを一緒に提案することにしました。

6. 提案内容:店舗部分は現金、住居部分はフルローン。諸費用もローンに

出した結論はこうです。

  • 店舗(ネイルサロン)部分 → 自己資金(現金)
  • 住居部分 → フルローン
  • 諸費用部分→フルローン

そしてもう一つ、お客様が一番驚かれたのが「諸費用もローンに含めることができた」という点でした。

てっきり諸費用は現金で用意しなければいけないと思い込んでいたので、ここは想定外のプラスだったようです。

7. なぜこの配分が合理的なのか、住宅ローン控除の仕組み

理由は住宅ローン控除にあります。

住宅ローン控除は、居住用部分にしか適用されません。

しかし、同時取得なと一定の条件が満たす場合は、土地の残高も対象となります。

土地を現金で買うと、建物のうち、店舗部分を除いた部分までしか控除は効かない、という状態になります。

店舗部分の床面積はローンを組んだとしても、控除は効きません

だったら、店舗部分は現金で払い切ってしまい、土地の残高と住居部分はしっかりフルローンにすれば、控除を最大限に使うことができます。

これが合理的な配分になるわけです。

土地を「とにかく現金で」と考えていたお客様の当初の方針とは、実は真逆の結論でした。

◆住宅ローン控除、2026年の税制改正で何が変わった?落とし穴を解説

8. まとめ

お金の話は後回しにされがちですが、契約前でも早めに全体像を共有してもらえると、選べる選択肢はぐっと広がります。

会社選びと資金計画は、本来同時に進めるべきものです。

今回、決済前というギリギリのタイミングで気づけたのは、本当に運が良かったと思います。

もし決済が済んでいたら、この按分プランは実現できませんでした。

土地を先に現金で購入される方は、決済前に一度、資金計画だけでも専門家に見てもらうことを強くおすすめします。

「本記事は情報提供を目的としており、税務・法律の専門的アドバイスではありません。個別の状況については専門家にご相談ください」→ [免責事項はこちら]

家づくりは正解が一つではありません。
本記事の内容が、後悔のない判断をするための参考になれば幸いです。

筆者の考え方や立ち位置については当ブログについてにまとめています。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人
まめおやじ

元住宅営業マンが、業界在籍34年と自宅建築の経験を活かし、初心者むけに住宅トラブル回避に特化したブログを発信。

自宅:木造平屋(2019年築)受賞歴あり
経歴:大手木質系プレハブ会社
   大手鉄骨系プレハブ会社
   木造在来工法ビルダー
資格:宅建士
   ファイナンシャル
   プランナー

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