こんにちは。
元住宅営業マンまめおやじです。
住宅業界歴34年・宅建士・FP資格保有。営業マンが語らない間取りと性能の落とし穴を解説します。
新築のマイホームで快適な生活を送るはずが、わずか数ヶ月でカビに悩まされる。
そんな悪夢のような事態が、実際に起こってしまいました。
「新築なのに、なぜこんなに湿気が多いの?」
「除湿器を回しても全く改善しない…」
「壁や家具にカビが生えてきて、もう限界です!」
施主様からの切実な連絡を受け、私は現場へ急行しました。
湿度計を見ると、なんと70%超え。 明らかに異常な数値です。
家電量販店に依頼して除湿器を診てもらっても「故障なし」。
原因が分からず途方に暮れていたところ、ついに犯人が判明しました。
それは、施主様がこだわって後付けした「サンルーム」だったのです。
この記事では、新築住宅で起きた実際の湿気トラブル事例と、その解決までの経緯を2回に分けて詳しく解説します。
◆「換気」記事の詳細はこちらから
- サンルームや洗濯物干し場の設置を検討している方
- 新築・築浅なのに湿気やカビに悩んでいる方
- 後付けで設備を追加する予定がある方
- 家の湿度管理について知りたい方
- リフォームやエクステリア工事を計画中の方
1. 施主様からのSOS|「新築なのにカビが…」
ある日突然かかってきた一本の電話
引き渡しから約3ヶ月後のことでした。
担当させていただいたK様から、焦った様子で電話がありました。
「まめおやじさん、大変なんです…」 「家中が湿気だらけで、もうカビが生えてきちゃって…」
新築でカビ?
最初は「何かの勘違いでは?」と思いました。
しかし、K様の声は本気で困っている様子。
これは放っておけない。 そう判断しました。
施主様が訴えた症状
電話口でK様が訴えた症状は、以下の通りでした。
- 家の中がジメジメして不快
- 窓ガラスが常に結露している
- クローゼットの中にカビが発生
- リビングの壁にもうっすらとカビの跡
「除湿器を3台も買って、フル稼働させているのに全く改善しないんです!」
K様の悲痛な叫びを聞いて、私はすぐに現場へ向かました。
新築でここまでの湿気トラブルは、何か重大な原因があるはずです。
新築でのカビ・湿気トラブルは、施主様にとって本当にショックな出来事です。
夢のマイホームが一転、悪夢に…そんな事態は絶対に避けなければなりません。
2. 現場調査で判明した衝撃の湿度70%超え
持参した湿度計で測定開始
翌日、K様宅に到着。 玄関を開けた瞬間、ムッとした湿気を感じました。
「これは…確かに異常だ」
私が持参した業務用の湿度計で、家の各所を測定していきました。
測定結果
- リビング:72%
- 寝室:68%
- クローゼット内:75%
- 玄関:65%
- 外気:55%
「え…こんなに高いの?」
K様も私も、測定結果に言葉を失いました。
快適な湿度の目安は40~60%
一般的に、室内の快適な湿度は40~60%とされています。
◆40%以下
乾燥しすぎ、ウイルスが活発に
◆40~60%
快適な湿度
◆60~70%
やや湿気が多い、不快感
◆70%以上
カビ・ダニが繁殖しやすい
K様宅は完全に「カビが繁殖する環境」。 これでは健康被害も心配です。
除湿器は確かにフル稼働していた
リビングには大型の除湿器が2台。
寝室に1台。
確かにすべて稼働していて、タンクには水がびっしり溜まっていました。
「こんなに除湿してるのに、なぜ…?」
除湿器が仕事をしているのに、湿度が下がらない。
つまり、家の中に絶えず湿気が供給され続けているということです。
これは只事ではない。 本格的な原因究明が必要でした。
除湿器を何台置いても改善しない場合、「湿気の発生源」が別にあるはず。
雨漏りや配管の水漏れなど、構造的な問題も疑う必要があります。
3. 原因究明|除湿器は壊れていない?じゃあ何が…
まず疑ったのは「構造的な問題」
新築でこれほどの湿気が発生するとなると、真っ先に疑うのは構造的な問題です。
後日アフターサービス担当と調査に。
チェック項目
- ✓ 雨漏り
- ✓ 配管からの水漏れ
- ✓ 基礎の防湿シート不良
- ✓ 換気システムの不具合
- ✓ 断熱材の施工不良
〇天井裏をチェック。→ 異常なし。
〇床下を確認。 →雨漏りや水漏れの形跡もなし。
〇24時間換気システムも正常に稼働していました。
「おかしい…構造上の問題は見当たらない」
◆「自宅の5年点検」記事の詳細はこちらから
家電量販店も「故障なし」の診断
K様が購入した除湿器は、すべて有名メーカーの高性能モデル。
念のため家電量販店のスタッフに診てもらいましたが、「どれも正常に動作している」との診断でした。
「じゃあ、一体何が原因なんだ…?」
行き詰まった私は、改めて家の中を丁寧に見て回ることにしました。
何か見落としがあるはずです。
K様への聞き取り調査
「いつ頃から湿気が気になり始めましたか?」
「何か、最近変わったことはありませんでしたか?」
聞き取りを進める中で、K様がポツリと言いました。
「そういえば、引き渡しの1ヶ月後に、サンルームを付けたんですよ…」
!!!
その瞬間、私の頭の中で、ピースがカチッとはまりました。
「サンルームを見せてください!」
私は急いでリビングの掃き出し窓へ向かいました。
トラブルの原因究明では、「いつから」「何が変わったか」の情報が非常に重要です。
施主様への丁寧なヒアリングが、解決への第一歩になります。
4. 真犯人はサンルーム!湿気の侵入メカニズム
後付けされた南側のサンルーム
K様が設置したのは、リビングの南側に面した約6畳の大きなサンルーム。
洗濯物を干したり、植物を育てたりするために設置したそうです。
引き渡し後に、外構業者に依頼して後付けしたそうです。
「天気の悪い日でも洗濯物が干せるし、最高だと思ったんです…」
K様の気持ちはよくわかります。
確かに、サンルームは便利な設備。
しかし、設置方法を誤ると、今回のような深刻な湿気トラブルを引き起こします。
サンルーム内の湿度を測定してみると…
サンルームに入って、湿度計を確認すると――
湿度:85%
「…これだ」
洗濯物を干しているサンルーム内は、まさに高温多湿の温室状態。
換気扇があるのに、この数値は異常。
そして、この湿気が、リビングの掃き出し窓から家の中へどんどん侵入していたのです。
湿気侵入のメカニズム
問題の構造は以下の通りでした。
【湿気の流れ】
[サンルーム内] [リビング]
湿度85% ────→ 湿度72%
↑
洗濯物の水分
日光による温度上昇
換気不足
何が起きていたのか
- サンルームで洗濯物を干す → 大量の水蒸気発生
- 日光で温度が上がる → 湿度がさらに上昇
- サンルームの換気が不十分
- 掃き出し窓から湿気がリビングへ侵入
- 家全体に湿気が広がる
つまり、除湿器がいくら頑張っても、サンルームから次々と湿気が供給されていたのです。
換気口の位置が最悪だった
さらに問題だったのが、サンルームの換気口の位置。
設置されていた位置
- サンルーム上部の家側(北側)
本来あるべき位置
- サンルーム上部の外側(南側)
この配置では、サンルーム内の湿った空気が外に出る前に、家の中へ流れ込んでしまうのです。
原因が特定できました。
あとは、どう対処するかです。
サンルームの換気計画は非常に重要です。
設置業者が建築の知識に乏しいと、こういった致命的なミスが起こります。
【前編のまとめ】原因は判明、しかし解決できるのか?
ここまでで、湿気トラブルの原因が「サンルームの換気不良」であることが判明しました。
しかし、問題はここからです。
これから解決すべき課題
- どうやって換気口を移設するのか?
- 費用は誰が負担するのか?
- 外構業者は協力してくれるのか?
- 本当に湿気は改善されるのか?
後編では…
- サンルーム改修工事の全貌
- 改修後の驚きの変化
- なぜこのトラブルが起きたのか?3つの要因
- サンルーム設置時の注意点チェックリスト
- 新築住宅の湿気・カビ対策の基本
後編に続きます!
👉 後編はこちら:【実例】新築カビトラブル解決編|サンルーム改修で湿度激減の全記録【後編】
家づくりは正解が一つではありません。
本記事の内容が、後悔のない判断をするための参考になれば幸いです。
筆者の考え方や立ち位置については
当ブログについて
にまとめています。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ




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