はじめに
こんにちは。元住宅営業マンまめおやじです。
「外構は住宅会社じゃなく、自分で専門業者に頼んだ方が安くなるかも?」
こんな風に考えて、外構工事を施主自身で手配する方も増えてきています。たしかに、自分で選べば費用を抑えたり、デザインにこだわったりもしやすいですよね。
でも、実際に多いのが「思ったより大変だった…」「こんなはずじゃなかった…」というトラブルや後悔の声。
本記事では、元住宅営業マンとしての実体験をもとに、
- 外構施主手配でよくあるトラブル
- なぜ住宅会社は嫌がるのか?
- どこまでが施主の責任なのか?
といった視点を、分かりやすくお伝えします。
- これから家を建てる人
- 外構工事がまだ決まっていない人
- これから外構工事が始まる人

1. トラブル事例①

玄関ポーチと門柱の高さが合わない?
施主手配で多いトラブルのひとつが「高さのズレ」。
たとえば、玄関ポーチと門柱の高さがバラバラだったり、門から玄関までの階段の段数が急すぎて使いにくかったり…。
これは、建物工事で設定されたGL(グランドライン=地盤高さ)と、外構工事側のGL設定がずれていることが主な原因です。
雨水が溜まる・勾配がおかしいのはなぜ?
また、「駐車場に水が溜まる」「庭の水はけが悪い」といった問題も、高さや勾配の設定ミスから起こりがち。
これは建物と外構で高さに関する打ち合わせや情報共有が不足していたことが背景にあります。
解決策は「建築と外構のGL共有」+現場立会い
建物側の設計図に記載されたGL情報(配置図・基礎伏図など)を外構業者にきちんと渡すことが第一歩。
さらに、可能であれば建物完成前に、外構業者と一緒に現地で立ち会い、高さ感を確認しておくと安心です。
2. トラブル事例②

駐車場やウッドデッキと干渉するケース
「駐車場に桝(排水マス)がボコッと出ていて、タイヤが乗り上げるたびガタン…」
「ウッドデッキの下に点検用の桝がきてしまい、フタが開けられない…」
こういった桝位置のトラブルもよくある話です。
桝は動かせる?建物側工事との連携の大切さ
実は桝の位置は、建物の配管工事とセットでほぼ確定してしまいます。
外構工事側からすると、「既にあるものを避けて工事する」しかないのが現実。
そのため、建物工事の早い段階で、外構側と桝の位置や高さについて確認・共有しておく必要があります。
図面と現場の両方で桝位置を確認すべし
図面だけでなく、実際の現地で確認することが大切です。
建築中でも現場を見に行って、「ここに桝がくるのか」「ウッドデッキと重ならないか」をチェックしておきましょう。
3. トラブル事例③

後から出てくる追加費用の正体
「外構業者に直接頼んだから安く済むと思ったのに、結果的に高くなった…」
よくあるのが、最初の見積もりに入っていなかった工事や処分費があとから追加されるケースです。
たとえば…
- 土間コンの厚み不足 → やり直し費用
- 残土処分・整地費用が別途発生
- フェンスや門扉の施工費が「取付費別」だった
などなど。
「外構工事の相場感」がないと損しやすい
建物と違って、外構には明確な基準価格がありません。
施主が相場を知らないことを見越して、ざっくりした見積もりで安く見せる業者もあるため注意が必要です。
最初にちゃんとプランを固めよう
大切なのは、「ざっくり」ではなくしっかりした外構プランを建物完成前に作っておくこと。
少なくとも、
- 駐車場の仕上げ(コンクリ・砂利・カーポート)
- 門柱・ポスト・インターホンの位置
- フェンスや境界ブロック
このあたりはしっかり決めて、複数業者に見積もりを取るのが理想です。
4. 住宅会社は施主手配を嫌がる?その本当の理由
打合せに呼ばれても「責任が持てない」
外構を施主手配した場合でも、住宅会社が工事内容や高さ関係で相談されることがよくあります。
ですが、住宅会社としては「うちでは請けていない工事」に関して、間違ったアドバイスはできません。
工事中のトラブルでも「説明を求められる」
「門柱の位置が変になったんだけど、住宅会社は何で教えてくれなかったの?」
こんな風に、責任の所在が曖昧になり、最終的にクレームが住宅会社にいくケースも珍しくありません。
「うちではやってません」が通用しない現場も
実際のところ、現場では「住宅会社の工事」と「外構業者の工事」が混在します。
第三者から見たらどちらも“住宅工事”に見えるため、何かあれば住宅会社に電話が入る…ということも多いのです。
5. 近隣挨拶を忘れて苦情が住宅会社へ!?
外構工事中は騒音・車両の出入りで迷惑をかける
外構工事中は、ダンプや重機の出入り、資材の積み下ろし、コンクリ打設などで騒音や振動が出る場面もあります。
「挨拶してない=住宅会社の印象が悪くなる」
外構が施主手配であっても、近隣からすれば「○○ハウスさんがやってる家」と思われています。
そのため、挨拶なしで始まると、苦情が住宅会社に入ることも少なくありません。
外構業者任せにせず、施主が挨拶するのがマナー
外構が施主手配の場合、近隣挨拶も基本的には施主の役割です。
一言でいいので、近隣の方に「外構工事を○日から行います。ご迷惑をおかけしますが…」と伝えるだけでも印象が違います。
※施工業者と一緒に挨拶にいくのもよいでしょう。
6. 施主外構=すべて施主の責任、という覚悟を持つべき
建物と外構が連携しないと困るのは施主本人
GL、配管、設備、境界、フェンス、表札、電気工事…。
これらがちぐはぐになると、暮らしやすさや見た目に大きな影響が出てくるのは、他でもない“施主自身”です。
「指示ミス」「連絡不足」は誰の責任か?
住宅会社と外構業者との間に入って調整するのは施主の役目。
打ち合わせ不足でトラブルになっても、「うちのせいじゃない」では済まない場面もあります。
「うまくやってくれるだろう」は通用しない世界
建物も外構も、「誰かがやってくれるだろう」と思っていると、本当に誰もやってくれないまま工事が進んでしまうこともあります。
施主手配にする以上、最終的な責任は施主にあるという覚悟が必要です。
7. 元住宅営業マンからのアドバイスと実例

外構手配が向いている人の特徴
- 建築・外構の知識がある
- 工程管理や図面の確認ができる
- 複数業者との調整が苦じゃない
- 工事中に現場を見に行ける時間がある
絶対に避けたほうがいいパターン
- 忙しくて現場を見に行けない
- 完成イメージが曖昧
- 費用を最優先している(安ければOK)
- トラブル対応に自信がない
最小限でも建物工事中に外構プランをまとめよう
理想を言えば、建物の打ち合わせ段階で外構業者とも話を進めておくことがベスト。
間取り・配管・電気・外観など、建物と外構はつながっているからです。
筆者自身の体験談
- 着工前に外構プランを確定させた
- シンボルツリーの位置と樹種は足場がとれた状態で確認して決めた。
- 配管計画図を確認してカーポート位置をきめた。
まとめ
外構工事を施主手配することで、自由度やコストのメリットは確かにあります。
でもその分、トラブルのリスクや責任も自分で背負うことになります。
- 高さのズレ(GL)
- 配管や桝の位置ミス
- 予算オーバー
- 住宅会社や近隣とのトラブル
こうしたリスクを避けるには、事前の情報共有と現場確認、そして覚悟ある段取りが必要です。
「失敗しない外構工事」のために、この記事が少しでもお役に立てば嬉しいです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ

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