元住宅営業マンとして約34年間、ハウスメーカー・工務店・不動産開発の現場に携わってきました。
本記事は、営業現場と自宅建築の両方を経験した筆者が、実務経験に基づき家づくりに関する判断材料となる情報を提供することを主な目的としています。
記事内にはPR・アフィリエイトリンクを含む場合がありますが、特定の商品やサービスの購入を推奨・強制するものではありません。
こんにちは。
元住宅営業マンまめおやじです。
「早く見積もりが見たいのに、なかなか出してくれない…」
「もしかして、私の予算が低いから後回しにされているのかな?」
家づくりを検討されているあなたなら、住宅会社との打ち合わせで、
一度はこんな風に感じたことがあるのではないでしょうか。
特に、家づくりは一生に一度の大きな買い物。金額が分からないと、
不安でなかなか先に進めない気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、住宅営業マンが「見積もり」をすぐに出さないのには、実はいくつかの深い理由があるんです。
決してあなたを後回しにしているわけではありません。
今回は、元住宅営業マンの私が、その「本当の理由」と、
施主であるあなたがスムーズに見積もりをもらうための秘訣を徹底解説します。
この裏側を知れば、あなたの家づくりはもっとスムーズに、そして納得のいく形で進むはずです。
ぜひ最後までお読みください。きっと、あなたの家づくりに役立つヒントが見つかるはずですよ。
- 住宅会社から見積もりがなかなか出てこなくて不安を感じている方
- 見積もりを待っている間に、営業マンとの関係性にモヤモヤしている方
- 家づくりのプロセスや住宅業界の「裏側」を知りたい方
- スムーズに見積もりをもらい、効率的に家づくりを進めたい方
- 営業マンとの良好なコミュニケーションを築き、信頼関係を深めたい方


1. 住宅の見積もり作成は「想像以上に大変」な作業

まず、大前提として知っておいていただきたいのは、住宅の見積もり作成が、
私たちが想像する以上に時間と労力がかかる、非常に複雑な作業だということです。
一邸一邸異なるオーダーメイドの家づくり
建売住宅と違い、注文住宅は一邸一邸がお客様の要望に合わせてゼロから設計されるオーダーメイド品です。
間取り、デザイン、使用する建材、設備、外構…
これら全てがお客様ごとに異なります。
そのため、一つとして同じ見積もりは存在しません。
多岐にわたる項目と詳細な積算

住宅の見積もりは、大きく分けて「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つに分類されますが、
それぞれの項目がさらに細かく分かれています。
例えば、
本体工事費だけでも、基礎工事、構造躯体工事、屋根工事、外壁工事、内装工事、設備工事など、
数十から数百の項目に細分化され、それぞれに材料費や工賃が積算されます。
これらを一つ一つ正確に算出するのは、膨大な作業量となるのです。
協力業者との連携と見積もり取得に時間がかかる

住宅会社は、自社だけで全ての工事を行うわけではありません。
基礎工事は専門業者、電気工事は電気工事業者、内装工事は内装業者など、
多くの協力業者と連携して家づくりを進めます。
そのため、お客様の要望を各協力業者に伝え、それぞれの専門分野の見積もりを取り寄せ、
それを集計・調整する作業が必要になります。
このやり取りだけでも、かなりの時間を要するのです。
営業マンの業務量と優先順位

住宅営業マンは、一人の顧客だけを担当しているわけではありません。
常に複数の見込み客や契約済みのお客様を抱え、打ち合わせ、現場管理、書類作成、そして新規顧客の開拓など、
多岐にわたる業務をこなしています。
そのため、見積もり作成も、その日の業務の優先順位の中で進められることになります。
緊急性の高い案件や、契約が間近な顧客の対応が優先されることも少なくありません。
2. 営業マンが見積もりを「あえて」すぐに出さない理由

見積もり作成が大変な作業であることはご理解いただけたかと思います。
しかし、それだけではありません。
営業マンが戦略的に「あえて」見積もりをすぐに出さない、という側面もあるのです。
ここには、営業マン特有の心理や会社の戦略が隠されています。
施主様の要望の深掘り:曖昧な情報での見積もりは意味がない

お客様から「とりあえず見積もりを」と言われても、営業マンはすぐに正確な金額を出すことはできません。
なぜなら、間取りや仕様、予算など、お客様の具体的な要望が曖昧なままでは、
意味のある見積もりを作成できないからです。
例えば、「広いリビングで、明るい家」という要望だけでは、
リビングの広さや窓の大きさ、建材のグレードなど、選択肢が無限にあります。
営業マンは、お客様との対話を通じて、本当に求めているものを引き出し、
それを具体的な形にするための時間を必要としています。
この「要望の深掘り」をせずに見積もりを出しても、お客様の期待と大きくズレてしまい、
結果的に時間の無駄になってしまうことを知っているのです。
予算と希望のすり合わせ:高額な見積もりで顧客を失わないため

家づくりは、お客様にとって大きな夢であると同時に、現実的な予算との戦いでもあります。
営業マンは、お客様の予算感を把握せずに、いきなり「最高の家」の見積もりを出してしまうと、
その高額さに驚いてお客様が引いてしまうことを恐れています。
そのため、まずは大まかな予算感や希望の優先順位を丁寧にヒアリングし、その中で実現可能なプランを提案しながら、
少しずつ見積もりを具体化していく戦略をとることがよくあります。
これは、お客様に「この予算で、ここまでできるんだ」という納得感を持っていただくためのプロセスでもあるのです。
他社との比較対策:安易な見積もりは他社に利用される

住宅業界では、お客様が複数の住宅会社を比較検討するのは当たり前のことです。
営業マンは、自社が作成した詳細な見積もりが、他社との比較材料として安易に利用されてしまうことを警戒しています。
特に、まだ信頼関係が十分に築けていない段階で、時間をかけて作成した見積もりを渡してしまうと、
その内容だけが独り歩きし、他社に「たたき台」として使われてしまうリスクがあります。
そのため、ある程度の信頼関係が構築され、自社の提案の価値を理解してもらった上でないと、
見積もりを提出したがらない傾向があるのです。
営業マンの心理:商談件数を確保したいという本音

ここからは、少し営業マンの本音の部分に踏み込みましょう。
営業マンは、常に「商談件数」という目標を意識しています。
見積もりを提出するということは、その商談が次の段階に進む、あるいは一つの区切りを迎えることを意味します。
もし、見積もりをすぐに出してしまって、お客様が「やっぱりやめます」となると、その商談はそこで終了です。
営業マンとしては、常に複数の見込み客を抱え、商談を進めていたいという心理が働きます。
見積もりを出すことで商談が終わってしまうことへの「恐怖」があるため、すぐには出したくない、
という気持ちになることもあるのです。
これは決して悪いことばかりではありません。
お客様との関係を深め、より良い提案をするための時間稼ぎ、と捉えることもできます。
しかし、裏を返せば、営業マン自身の成績や都合も少なからず影響している、
という側面もあることを知っておくと良いでしょう。
信頼関係の構築:見積もりよりも大切な「人」との関係

家づくりは、完成までに数ヶ月から一年以上かかることも珍しくありません。
その間、お客様と住宅会社、特に担当営業マンとは密なコミュニケーションが必要になります。
そのため、営業マンは、金額を提示する前に、まずはお客様との信頼関係をしっかりと築くことを重視しています。
「この営業マンなら、安心して任せられる」と感じてもらうことができれば、
多少見積もりが出るのが遅れても、お客様は待ってくれるはずだと考えているのです。
信頼関係ができていれば、見積もりの内容についても、より深く理解し、納得してもらいやすくなります。
会社の戦略・方針:見積もり提出までのフローが決まっている場合
住宅会社によっては、見積もり提出までのプロセスが会社の戦略や方針として明確に定められている場合があります。
例えば、「初回打ち合わせでは概算のみ」「詳細見積もりは3回目の打ち合わせ以降」など、ルールが決まっているのです。
これは、会社全体として効率的な営業活動を行うため、あるいは顧客満足度を高めるための戦略として行われています。
営業マン個人が勝手に判断して見積もりを出すことができない場合もある、ということを理解しておきましょう。
3. 施主がスムーズに見積もりをもらうための秘訣

では、私たち施主側は、どうすればスムーズに見積もりをもらい、後悔のない家づくりを進めることができるのでしょうか?
いくつかの秘訣をお伝えします。
•要望を具体的に伝える:
漠然とした希望ではなく、優先順位を明確に
•「広いリビング」だけでなく、「家族4人がゆったり過ごせる20畳以上のリビングで、南向きの大きな窓が欲しい」というように、具体的に伝えましょう。
•「絶対に譲れないこと」「できれば欲しいこと」「なくてもいいこと」など、希望の優先順位を明確にしておくことも重要です。
•予算を正直に伝える:

営業マンは予算内で最高の提案をしたい
•「予算は〇〇万円です」と正直に伝えることで、営業マンはその予算内で実現可能な最適なプランを提案しやすくなります。
•予算を低めに伝えてしまうと、本当に欲しいものが提案されず、後で後悔することにもなりかねません。
逆に高めに伝えると、予算オーバーの提案ばかりになってしまうことも。
正直な予算感を伝えることが、良い提案を引き出す第一歩です。
•「いつまでに必要か」を明確に伝える:
営業マンのタスク管理を助ける
•「〇月〇日までに、概算で良いので見積もりをいただけますか?」というように、
具体的な期日を伝えることで、営業マンもスケジュールを立てやすくなります。
•「急いでいる」というだけでなく、その理由も伝えることで、営業マンも協力しやすくなるでしょう。
•信頼関係を築く努力:
営業マンとの良好な関係は、良い家づくりに繋がります。
•質問には丁寧に答え、約束は守る。
そして、感謝の気持ちを伝えるなど、お互いに気持ちの良いコミュニケーションを心がけましょう。
営業マンも「このお客様のために頑張りたい!」と思ってくれるはずです。
•質問力を磨く:
見積もりの内容を理解するための質問をする
•見積もりを受け取ったら、不明な点は遠慮なく質問しましょう。
例えば、
「この項目は何の費用ですか?」
「なぜこの金額になるのですか?」
など、具体的に聞くことで、
営業マンも丁寧に説明してくれます。
•質問を通じて、家づくりの知識を深めることもできますし、
営業マンの誠実さを見極めることにも繋がります。
4. こんな営業マンには要注意!

最後に、残念ながら、中には注意が必要な営業マンも存在します。
以下のような特徴が見られる場合は、少し立ち止まって考えてみましょう。
•要望をほとんど聞かずに概算を出す営業マン:
お客様のニーズを理解しようとせず、テンプレートのような見積もりを出す営業マンは、後々トラブルになる可能性があります。
•他社の悪口ばかり言う営業マン:
自社の強みではなく、他社の弱みばかりを強調する営業マンは、信頼性に欠ける場合があります。
•見積もりの内容を詳しく説明できない営業マン:
質問しても曖昧な回答しか返ってこない、あるいは説明を避ける営業マンは、
見積もりの中身を理解していないか、隠したいことがあるのかもしれません。
•連絡が滞りがちな営業マン:
打ち合わせの約束を忘れる、連絡しても返事が遅いなど、レスポンスが悪い営業マンは、
家づくり全体を通じて不安を感じさせるでしょう。
◆営業マンについてはこちらの記事もご覧ください



5.元住宅営業マンまめおやじの一言

私はだいたいこんな感じでした。
会社に特徴や実例よりも金額や坪単価がかり聞いてくるお客様
本命の会社があるが、もっと安くできる会社はないかな、と探している、と感じると、契約にはならないため、
過去提出した見積をテキトーに修正して金額の高い見積を出していました。
すぐに見積を出すと他社へ見積を持ち込まれる
お客様のこだわりの深堀を並行して行わないと、他社比較のたたき台にされてしまいます。
ただ、売れていない営業マンは焦ってすぐに見積をだし、お客様が結論を出す段階ではないのに、結論を迫り、断られます。
すぐに見積をだすと、手持の商談客が少なくなる

毎週、毎月の会議で数字の報告。
契約数以外にも商談客数も報告するため、あまり減らしたくありません。
会議対策で見積を先延ばしにするケースもありました。
まとめ

住宅営業マンがすぐに見積もりを出さないのには、単なる怠慢ではなく、非常に複雑な理由が存在します。
一つは、住宅の見積もり作成が非常に手間と時間がかかる作業であること。
そしてもう一つは、施主様にとって本当に満足のいく家づくりを実現するために、
営業マンが「あえて」時間をかけている側面や、営業マン自身の心理的な要因も少なからず影響しているということです。
施主様がスムーズに見積もりをもらい、後悔のない家づくりを進めるためには、自身の要望や予算を具体的に伝え、
営業マンとの信頼関係を築くことが何よりも重要です。
営業マンは、あなたの家づくりの大切なパートナーです。
お互いに協力し、理解し合うことで、最高の家づくりが実現できるでしょう。
焦る気持ちは分かりますが、焦ってトラブルを起こしてしまっては、せっかくの新しい生活に水を差してしまいます。
焦らず、しかし着実に、理想のマイホームへと歩みを進めてください。
あなたの家づくりが、素晴らしいものになることを心から願っています。
家づくりは正解が一つではありません。
本記事の内容が、後悔のない判断をするための参考になれば幸いです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ


筆者の考え方や立ち位置については当ブログについて
にまとめています。


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