こんにちは。まめおやじです。
「家を建てたいけど、予算はどう決めたらいいの?」「住宅展示場でFP相談って書いてあるけど、使っていいの?」
…そんな疑問をお持ちの方へ。
本記事では、元住宅営業マンが“住宅会社のFP”の実態と、後悔しないための賢い選び方をお伝えします。
- 住宅展示場でFPに相談しようと思っている方
- 住宅会社の「資金相談」が気になっている方
- 自分たちの本当の予算を知りたいと思っている方
- 第三者の意見で家づくりを進めたい方


結論:住宅会社のFPはおすすめしません

■理由:自社都合の資金計画に誘導されるから
住宅会社が紹介するFPは、いわば「身内のアドバイザー」。
見た目は中立ですが、そのFPのゴールは“あなたにその住宅を買ってもらうこと”です。
そのため、
- 「この位のローンなら大丈夫ですよ」
- 「教育費は後からでも調整できますよ」
- 「共働き前提なら予算を上げられます」
といった、やや楽観的な前提で資金計画を立てがちです。
つまり、無理のある購入計画を“問題ないように見せる”プロになってしまっていることも。
本来FPとは、生活・教育・老後までを見据えた「家計の守り役」であるべきです。
その役割が果たされていないケースもあるため、注意が必要です。
■元住宅営業マンのひとこと

私も営業時代、FP同席で「このご家族ならこの金額いけますね」と組み立てたことが何度もあります。
正直、FPと組んで“契約まで持っていく”のが目的になっていた場面もありました。
もちろん親切なFPさんもいますが、
「中立なアドバイスかどうか?」は、相談前に見極めが必要です。
1.FPとは

■FP(ファイナンシャルプランナー)の主な仕事
- 家計の見直しや改善アドバイス
- 教育資金や老後資金など、ライフプランの設計
- 保険の見直しや加入アドバイス
- 資産運用の相談(投資信託や株など)
- 相続や税金に関する一般的な相談
■カンタン解説
FP(ファイナンシャルプランナー)は、個人や家庭のお金に関する悩みに寄り添ってくれる「家計の専門家」です。
家計のバランスを整えたり、将来のライフイベント(結婚・出産・住宅購入・老後など)に合わせた資金計画を一緒に考えてくれます。
保険や投資、相続、税金などの分野にも広く関わるため、幅広い知識が求められます。
住宅ローンのアドバイスを受ける機会も多く、「家を建てたいけど予算に不安がある」という人にとって頼れる存在です。
■元住宅営業マンのひとこと

知識よりも「誰の利益のために動いているか」がポイントです。
FPの知識は確かに頼りになりますが、住宅会社に所属する(=提携している)FPは「家を売ること」がゴールになりがち。もしくは保険商品等の契約。
中立的な立場で相談に乗ってくれる独立系FPのほうが、結果的に家計のためになる提案をしてくれるケースが多かったです。
2. FPの種類

■主なFPの種類
- 企業系FP(住宅会社・保険会社・銀行などに所属、提携)
- 独立系FP(特定企業に属さず、顧客から直接報酬を得る)
●企業系FP
銀行、保険会社に所属し、住宅会社と提携しているFPです。
相談料が無料のケースが多く、気軽に話を聞けるメリットがありますが、提案内容は所属企業の利益が優先されることがあります。
たとえば、住宅会社のFPであれば「この会社で建てる前提」での資金計画が前提になっており、無理のあるローン提案になる場合も。
FP相談を足がかりに自社の保険商品を買ってもらおうと虎視眈々と狙っている場合も。
●独立系FP
どの企業にも属さず、顧客からの相談料やアドバイス料で収入を得ているFPです。
中立的な立場から、保険・住宅・教育・老後資金など幅広くアドバイスしてくれます。
相談料はかかることが多いですが、「売ること」が目的ではないため、より信頼性の高い提案をしてくれるのが特徴です。
■元住宅営業マンのひとこと

本当にお金のことを真剣に考えるなら、独立系FPに一度見てもらうのが安心です。
住宅会社にいたころ、企業系FPが「なんとかこの金額で通せますよ!」と予算を上げていく場面をよく見ました。
その場はスムーズに話が進むけれど、引き渡し後に家計が苦しくなったという話も少なくありません。
3. FPの資格

■主なFP資格
- FP技能士(国家資格/3級・2級・1級)
- AFP(日本FP協会認定/民間資格)
- CFP(AFPの上位資格/国際資格)
●FP技能士(国家資格)
国が認定するファイナンシャルプランナーの資格です。3級は初歩的な知識、2級以上で業務レベルの実力があるとされます。
資格を取得していれば、一定の金融・保険・税金・住宅ローンなどの知識がある証明になります。
●AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)
日本FP協会が認定する民間資格。FP技能士2級と同等レベルで、提案書を作成する課題など実践的な力も問われます。
資格更新には継続的な学習が必要で、一定の質が担保されやすいのが特徴です。
●CFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)
AFPの上位資格で、国際的にも認められている高度なFP資格です。
6科目の試験に合格し、実務経験も必要なため、信頼度は非常に高いです。
住宅ローンや資産運用に関する専門性が深く、複雑な家計相談にも対応できます。
■元住宅営業マンのひとこと

住宅会社所属のCFPよりも、無資格でも独立して実績のあるFPの方が頼りになる、なんてこともありますよ。
資格だけを見れば「CFP持ちのFPなら安心」と思いたいところですが、実際は資格よりも「どこに所属しているか」「どういう提案をしてくれるか」のほうが重要です。
★「営業マン」についてはこちらの記事もご覧ください。
4. FPと住宅会社のメリット

■住宅会社にFPがいるメリット
- 専用ソフトでシミュレーションしてくれる
- 変動金利・固定金利など住宅ローン比較ができる
- パート復帰や育児休業など将来の収支も考慮してくれる
- ライフプランをグラフで見せてくれるのでわかりやすい
- その場で予算調整ができるので家づくりがスムーズに進む
■カンタン解説
●専用ソフトで家計シミュレーションしてくれる
住宅会社が使うFPソフトは、家族構成・収入・支出などを入力すれば将来の家計をグラフで可視化してくれます。
初心者でも「今後いくら必要か」が一目でわかるのが大きなメリットです。
●ローン比較や将来の支出も相談できる
住宅ローンの種類や借入期間、金利の違いによる総返済額などを分かりやすく説明してくれるため、漠然とした不安が減ります。
子どもの教育費や老後資金の話までしてくれる場合もあり、長期的な目線で考えやすくなります。
●その場で判断・調整しやすい
営業担当とFPが連携しているため、間取りや仕様の調整とあわせて、すぐに「このプランで○万円UPするとこうなる」といった説明が可能です。
打ち合わせの回数を減らせて、時間効率も高まります。
■元住宅営業マンのひとこと

あくまで住宅会社目線での予算設計なので、冷静に判断する視点は忘れないでくださいね。
正直、住宅会社にとってFPは「成約率を上げるためのツール」の一つでもあります。
でもお客さんの立場からすると「安心して予算を組める」「家づくりが前に進む」という実感が得られるのは大きいです。
5. FPと住宅会社のデメリット

■住宅会社に所属するFPの注意点
- 住宅会社に都合のいい予算提案になりやすい
- 保険など他の商品をすすめてくることがある
- 本当に中立な立場ではない
- 将来的なリスクをあえて控えめに伝えるケースも
- 提携ローンや提携商品を前提に話を進めることがある
■簡単解説
●住宅会社に都合のいいシミュレーションになることも
住宅会社のFPは「予算を増やしても返せる」という方向で説明するケースが多く、無理のある資金計画でも通りやすくなってしまう場合があります。
「返せる」と「安心して暮らせる」は別物なので注意が必要です。
●保険などの勧誘がセットでついてくる場合も
提携している保険会社の商品をセットで提案されることもあり、本来不要な保険に加入してしまうこともあります。
住宅購入という不安定な時期だからこそ、「安心のために」と誘導されがちです。
●完全な中立とは限らない
住宅会社に所属している以上、会社の利益を前提としたアドバイスになってしまう傾向があります。
「この家を買ってもらうために数字を整える」役割として機能することも多く、客観性には限界があります。
■元住宅営業マンのひとこと

本気で家計を見直したいなら、独立系FPに有料で相談するのが一番安心ですよ。
正直、FPが出してくるライフプランは「このくらいの返済ならいけますよ」と背中を押す道具になってることも多いです。
私自身、FP同席のもとで予算をちょっとずつ上げていく提案を何度もしてきました……。
6. FP診断するならおすすめは?

種類 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
独立系FP | 有料だが中立的アドバイス | 事前に実績や相談料を確認 |
SUUMO紹介FP | 家づくり特化。無料もあり | 担当者によってバラつきあり |
住宅展示場FP | 手軽に相談できる | 自社に都合の良い提案になりがち |
★「住宅紹介会社」についてはこちらの記事もご覧ください。
■信頼できるFPの選び方と相談先
- 独立系FPに有料相談するのがベスト
- 住宅購入に強いFPを選ぶこと
- SUUMOなどの中立的紹介サービスを活用する
- 無料FP相談には注意点あり(保険や投資の勧誘)
- 「今だけでなく将来の変化も含めて」相談できる人を選ぶ
■カンタン解説
●独立系FPに有料で相談するのが安心
独立系FPは特定の企業に属さず、報酬を相談料として受け取るスタイルが基本。
住宅会社に忖度することなく、中立的な目線であなたの家計に合った予算を一緒に考えてくれます。
初回相談は1〜2万円程度が目安。
●住宅分野に強いFPを選ぼう
FPといっても得意分野はさまざま。
「住宅ローン診断が得意」「子育て世代の家計に詳しい」など、自分の立場にあった人を選ぶと具体的なアドバイスがもらえます。
●SUUMOなどの紹介サービスを活用するのも手
中立的な立場でFPを紹介してくれる住宅系サービスもあります。
個人で探すのが不安な人は、こういったサービスを使うと失敗しづらくなります。
●無料相談は「なぜ無料か」を確認しよう
保険や投資商品を提案する目的で無料診断を行っているケースも多いです。
そのFPがどこから報酬をもらっているかを確認することで、「偏りのある提案かどうか」が見えてきます。
■元住宅営業マンのひとこと

保険会社のFPは保険商品の組み換えをやってました。同じ保障で保険料を安くしてましたね。
私が営業していたとき、「独立系FPに相談してから来ました」というお客様は、予算も考え方もすごくしっかりしていた印象があります。
会社にとってはやりにくい存在ですが(笑)、家族を守る本気の家づくりをしたいなら絶対に価値があります。
住宅会社の無料FP相談だけで決めるのは、ほんともったいないですよ。
★「住宅紹介会社」についてはこちらの記事もご覧ください。
7. まとめ|家づくりの資金計画は「中立なFP」に相談しよう

住宅会社が紹介してくれるFPは、便利で親身な存在に見えるかもしれません。
しかし実際には、会社にとって都合のいいシナリオを描くための存在になっていることもあります。
大きな買い物であるマイホーム。
「買えるかどうか」だけでなく、「無理なく暮らせるか」「将来まで安心できるか」を基準にした資金計画が本来のゴールです。
そのためには、中立な立場でアドバイスしてくれる“独立系FPに一度相談することを強くおすすめします。
1〜2万円の相談料で、数千万円の買い物のリスクを減らせるなら、むしろ安い投資です。
もしくはSUUMOカウンターのFPが無料で、住宅会社に属してないので、無難かと思います。


ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ
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