元住宅営業マンとして約34年間、ハウスメーカー・工務店・不動産開発の現場に携わってきました。
本記事は、営業現場と自宅建築の両方を経験した筆者が、実務経験に基づき家づくりに関する判断材料となる情報を提供することを主な目的としています。
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こんにちは。
元住宅営業マンまめおやじです。
前編では、離婚経験のある40代後半男性・Kさんの家づくりの始まりをお話ししました。
- 確信的なおひとり様としての決断
- 相続した土地という強み
- 病歴がありながら地方銀行でローン承認
- 1LDK平屋という合理的な選択
後編では、設計から完成、そして暮らし始めてからの満足度まで、すべてをお伝えします。
前編をまだお読みでない方は、こちらからどうぞ 👉 【前編】離婚後40代男性が建てた1LDK平屋
- 独身で家を建てることを検討している方
- 離婚後の住まいを考えている方
- おひとり様住宅のリアルな実例を知りたい方
- コンパクトでも豊かに暮らす家づくりに興味がある方
- 将来の住まいに不安を感じている独身の方


1. 20代独身女性設計士との出会い|最初の不安と信頼関係の構築

設計士の紹介
住宅ローンの承認も下り、いよいよ本格的な設計の打ち合わせ。
私は、Kさんに設計士を紹介しました。
「Kさん、担当設計士のMさんです」
現れたのは、20代の若い女性設計士。 笑顔で挨拶をしてくれました。
「初めまして、Mと申します。よろしくお願いします」
しかし、Kさんの表情は硬いままでした。
Kさんの不安

打ち合わせ後、Kさんは私にポツリと言いました。
「まめおやじさん…正直、不安です」 「あんな若い女性で、大丈夫なんですか?」
Kさんの不安は、理解できました。
Kさんの心境
- 40代後半の独身男性
- 離婚経験あり
- 人生の大きな買い物
- 相手は20代の若い女性
「一人暮らしの経験もない若い女性に、自分の暮らしが理解できるのか?」
そういう不安だったと思います。
私の説明

私は、Kさんに丁寧に説明しました。
「Kさん、Mさんは若いですが、非常に優秀な設計士です」
「すでに30棟以上の設計実績があります」
「特に、コンパクトな住宅の設計が得意なんです」
でも、Kさんの不安は完全には消えませんでした。
「まあ…とりあえず、やってみます」
少し警戒した様子で、打ち合わせが始まりました。
最初の打ち合わせ

第1回目の設計打ち合わせ。
Kさんは、少し距離を置いた態度でした。
質問も最小限。 リアクションも控えめ。
M設計士も、それを感じ取っていたと思います。
でも、彼女はプロフェッショナルでした。
「Kさん、普段の生活について教えてください」 「朝起きてから、夜寝るまでの動きを教えてください」
丁寧に、Kさんの生活をヒアリングしていきました。
転機は第3回目の打ち合わせ

第3回目の打ち合わせで、転機が訪れました。
M設計士が、新しい図面を持ってきました。
「Kさん、前回のご意見を反映して、動線を見直しました」 「キッチンからリビングの見通しを良くして…」 「テレワークスペースは、この位置にしました」
図面を見たKさんの表情が、変わりました。
「お、これいいですね」 「この動線、すごく使いやすそう」
初めて、Kさんから前向きな言葉が出ました。
信頼関係の構築

その後、Kさんの態度は徐々に変わっていきました。
打ち合わせでも積極的に意見を言うようになり、M設計士とも、笑顔で会話するようになりました。
「Mさん、この収納なんですけど…」 「Mさんの提案、すごくいいと思います」
第5回目の打ち合わせの後、Kさんは私にこう言いました。
「まめおやじさん、Mさん、すごいですね」 「最初は不安でしたけど、完全に信頼してます」
なぜ信頼関係が構築できたのか

M設計士の何が良かったのか。
M設計士の優れた点
- Kさんの話を丁寧に聞く
- 生活をイメージした提案
- 図面で「見える化」する
- Kさんの意見を尊重する
- プロとしての自信と謙虚さ
年齢や性別は関係ない。 プロフェッショナルな仕事が、信頼を生むのです。
最初の印象だけで判断するのは危険です。 Kさんも最初は不安でしたが、実際に仕事を見て、信頼できると判断しました。
※打合せトラブルについてはこちらの記事もご覧ください。

2. 契約後の追加・グレードアップ|かっこいい家への進化

当初の契約金額
契約時の金額は、以下の通りでした。
契約金額の内訳
- 建物本体:2500万円
- 付帯工事:200万円
- 合計:2700万円
土地代がゼロなので、建物にしっかり予算を使えました。
「もっとこだわりたい」
打ち合わせが進むにつれ、Kさんの要望が増えていきました。
「この壁、もっといい素材にできませんか?」 「キッチンのグレードを上げたいです」 「外壁も、もっとかっこいいのにしたい」
当初の計画より、どんどんグレードアップしていきました。
主な追加項目

追加・グレードアップ項目
- 外壁材のグレードアップ
- 追加費用:約80万円
- スタイリッシュな黒系のガルバリウム鋼板
- キッチンのグレードアップ
- 追加費用:約60万円
- 食洗機、タッチレス水栓、対面カウンター延長
- バーコーナーの造作
- 追加費用:約50万円
- カウンター、棚、間接照明
- テレワークスペースの造作
- 追加費用:約40万円
- デスク、棚、コンセント増設
- 床材のグレードアップ
- 追加費用:約30万円
- 無垢材フローリング
- 照明計画の見直し
- 追加費用:約40万円
- ダウンライト、間接照明、調光機能
- 玄関土間の拡張
- 追加費用:約30万円
- 趣味のゴルフバッグなどを収納
追加費用の合計:約330万円
最終的な金額

最終金額
- 当初契約:2500万円
- 追加・変更:330万円
- 最終金額:2830万円
約330万円の追加。 決して小さくない金額です。
なぜ追加できたのか
Kさんが追加予算を出せた理由。
Kさんの資金計画
- 土地代:0円(相続)
- 当初予算:2500万円
- 予備費:500万円
- 総予算:3000万円
土地代がゼロだったため、予備費を多めに確保していました。
そして、Kさんはこう言いました。
「一生住む家だから」 「後悔したくない」 「予算内なら、こだわりたい」
非常に前向きな姿勢でした。
ハイグレードでかっこいい家に

追加・グレードアップの結果…
完成した家の特徴
- スタイリッシュな黒の外観
- 高品質なキッチン
- 大人のバーコーナー
- 機能的なテレワークスペース
- 温かみのある無垢床
- 計算された照明計画
「かっこいい家」が実現しました。
おひとり様住宅は、家族構成が変わらないので、将来の変更が少ない。
だからこそ、最初からこだわって作る価値があります。 Kさんの判断は正しかったと思います。
3. テレワークスペースとバーコーナー|大人のこだわり空間

テレワークスペースへのこだわり
Kさんは会社員ですが、週2日はテレワーク。
「自宅で仕事するスペースは、絶対に必要です」
当初は、リビングの一角に簡易的なデスクを置く予定でした。
しかし、M設計士の提案で、専用スペースを作ることに。
テレワークスペースの仕様
- 場所:LDKの一角、窓際
- サイズ:約1.5畳
- 造作デスク:幅180cm、奥行60cm
- 棚:デスク上部に造作
- コンセント:6口(PC、モニター、充電用)
- 照明:デスクライト用の配線
- インターネット:有線LAN配線
「ここで仕事するの、すごく快適そうです」
Kさんは、図面を見て目を輝かせていました。
バーコーナーという大人の遊び
そして、Kさんの最大のこだわり。 それが「バーコーナー」でした。
「週末、友達を呼んでお酒を飲むんです」 「ちょっとしたバーみたいな空間が欲しいんです」
M設計士は、すぐに提案しました。
「LDKの一角に、カウンターを作りましょう」
バーコーナーの仕様
- 場所:LDKの一角、キッチン近く
- カウンター:幅120cm、奥行45cm
- 高さ:105cm(ハイチェアに対応)
- 棚:ボトルやグラスを収納
- 照明:間接照明でムーディーに
- コンセント:冷蔵庫用(小型ワインセラー想定)
「これ、最高ですね!」
Kさんは大興奮でした。
友人を招くための工夫

Kさんの家は、「おひとり様」でありながら「友人を招く」ことを前提にしていました。
友人を招くための工夫
- 広めのLDK(20畳)
- 対面キッチン(料理しながら会話できる)
- バーコーナー(お酒を楽しむ)
- ダイニングテーブルは6人掛け
一人暮らしでも、孤独ではない。 友人と楽しく過ごせる空間。
それが、Kさんの理想でした。
兄嫁さんの最後のアドバイス

間取りの最終確認で、兄嫁さんがこう言いました。
「Kさん、いい家になったわね」 「でも一つだけ。トイレの手洗いは、ちゃんとしたのにした方がいいわよ」 「友達が来た時、手洗いがおしゃれだと印象が全然違うから」
Kさんは、すぐに採用しました。

トイレの手洗い
- タンクレストイレ
- 独立した手洗いカウンター
- おしゃれなタイル
- 間接照明
細かいところまで、こだわりました。
おひとり様住宅でも、「来客」を意識することは大切です。
人を招きたくなる家は、自分も住んでいて楽しい家になります。
4. トラブルゼロの引き渡し|週末は友人のたまり場に
スムーズな工事進行

着工から約4ヶ月。 Kさんの家の工事は、非常にスムーズに進みました。
工事中の状況
- 天候にも恵まれた
- 職人さんたちも優秀
- 近隣トラブルなし
- 工期の遅延なし
- 追加変更もスムーズに対応
昔住んでいたので、知り合いが多い点が大きかったです。
Kさんの現場訪問
Kさんは、工事中も頻繁に現場を訪れました。
「すごい、だんだん形になってきましたね」 「職人さん、いつもありがとうございます」
職人さんたちへの感謝の言葉も忘れない。
現場の雰囲気も、とても良好でした。
完成検査

工事完了後、完成検査を行いました。
Kさん、M設計士、そして私。 3人で、隅々までチェックしました。
「床の仕上がり、完璧ですね」 「バーコーナー、イメージ通りです!」 「テレワークスペース、最高です!」
Kさんは、終始笑顔でした。
そして、検査の最後にKさんが言いました。
「まめおやじさん、Mさん、本当にありがとうございました」 「想像以上の家ができました」
その言葉を聞いて、私も心から嬉しかったです。
引き渡し当日

引き渡し当日。
Kさんは、兄夫婦と一緒に来てくれました。
「Kさん、鍵をお渡しします」
私が鍵を渡すと、Kさんは深々と頭を下げました。
「本当に、ありがとうございました」
兄嫁さんも、こう言ってくれました。
「素敵な家になりましたね」 「Kさん、良かったわね」
引き渡し後、Kさんは家の中をゆっくり見て回りました。
そして、バーコーナーの前で立ち止まり、こう言いました。
「ここで、友達と乾杯するのが楽しみです」
入居後の暮らし
引き渡しから3ヶ月後。 私は、Kさんに様子を伺う電話をしました。
「まめおやじさん、最高ですよ!」
電話口のKさんの声は、弾んでいました。
「テレワークも快適だし」 「週末は友達が遊びに来て、バーコーナーで飲んでます」 「もう、毎日が楽しいです」
そして、こんなことも言ってくれました。
「友達から『かっこいい家だね』って褒められました」 「家を建てて、本当に良かったです」
半年後の訪問
引き渡しから半年後。 私は、Kさんの家を訪問しました。
家の中は、きれいに整理されていました。
バーコーナーには、お気に入りのボトルが並び。 テレワークスペースには、PCとモニターが設置されていました。
「まめおやじさん、見てください」 「この前、友達と撮った写真です」
Kさんがスマホで見せてくれた写真。
バーコーナーで、友人たちとグラスを掲げる笑顔のKさんが写っていました。
「週末のたまり場、本当に実現しました」
Kさんの満足そうな顔を見て、私も心から嬉しく思いました。
おひとり様住宅の成功は、「自分の理想の暮らしを実現できるか」にかかっています。 Kさんは、それを見事に実現しました。
5. おひとり様住宅を成功させる7つの秘訣

Kさんの事例から学ぶ、おひとり様住宅を成功させる秘訣をまとめます。
秘訣①:「確信」を持って決断する
Kさんは、迷いがありませんでした。
「これからは一人で生きていく」
中途半端な気持ちで家を建てると、後悔します。
確信を持つためのチェック
- 本当に結婚しないと言い切れるか
- 一人で老後まで住む覚悟はあるか
- 家族構成が変わる可能性は?
これらを真剣に考えた上で、決断してください。
秘訣②:土地は「相続」か「安く買える」ことが理想
Kさんの最大のアドバンテージは、土地を相続したこと。
おひとり様で土地から購入すると、ハードルが非常に高くなります。

おひとり様の土地選び
- 相続できる土地があるか確認
- なければ、郊外の安い土地を検討
- 駅近にこだわりすぎない
- 将来の売却・賃貸を考えた立地
土地代を抑えることが、成功の鍵です。
※土地選びについてはこちらの記事もご覧ください。

秘訣③:広さは「コンパクト」に、質は「ハイグレード」に
Kさんの1LDK平屋。
※平屋についてはこちらの記事もご覧ください。


一見、小さすぎるように思えますが、一人には十分です。
おひとり様住宅の適正サイズ
- 1LDK~2LDK
- 延床面積:20~30坪
- 平屋または2階建て
広すぎる家は:
- 掃除が大変
- 冷暖房費が高い
- 固定資産税が高い
- 持て余す
コンパクトにして、浮いた予算を質に回しましょう。
秘訣④:病歴があっても諦めない
Kさんは、病歴がありました。 でも、諦めずに複数の金融機関に相談しました。

病歴がある場合の対策
- 複数の金融機関に相談
- 地方銀行も検討
- ワイド団信(引受基準緩和型)も検討
- 現在の健康状態を説明できる診断書を用意
メガバンクがダメでも、諦めないでください。
秘訣⑤:第三者の意見を取り入れる

Kさんは、兄嫁さんのアドバイスを積極的に取り入れました。
一人で決めると、見落としが多くなります。
おすすめの第三者
- 家族(兄弟姉妹、親)
- 親しい友人
- 設計士・営業マン
特に、異性の意見は貴重です。
秘訣⑥:「人を招く」ことを意識する

Kさんの家は、友人を招くことを前提にしていました。
おひとり様だからこそ、人とのつながりは大切です。
人を招く家の工夫
- LDKは広めに(18~22畳)
- ダイニングテーブルは4~6人掛け
- トイレは来客用として意識
- 玄関からLDKへの動線をシンプルに
- 寝室は来客から見えない位置に
人を招きたくなる家は、自分も楽しい家です。
秘訣⑦:将来の「出口戦略」も考える

おひとり様住宅で忘れてはいけないのが、将来のこと。
考えるべき出口戦略
- 老後、一人で住み続けられるか
- 介護が必要になった時は?
- 最悪、売却できるか
- 賃貸に出せるか
出口戦略を考えた設計
- 平屋またはバリアフリー
- 駅やバス停から近い
- 極端に個性的すぎない
- 適度なサイズ(20~30坪)
Kさんの平屋は、将来の売却・賃貸も考えた選択でした。
おひとり様住宅は、自由がある反面、すべて自分で決めなければなりません。
だからこそ、慎重に、そして楽しんで進めてください。
【まとめ】おひとり様住宅は、人生を豊かにする

Kさんの家づくりは、大成功でした。
Kさんの成功要因まとめ
- 確信を持った決断
- 土地を相続していた
- 病歴があっても諦めなかった
- 1LDK平屋というコンパクトな選択
- 質にこだわった(ハイグレード)
- 兄嫁さんの女性目線アドバイス
- M設計士との信頼関係
- 友人を招くことを意識
- 将来を見据えた平屋
そして何より、Kさんは家づくりを楽しんでいました。
おひとり様住宅の本質
おひとり様住宅は、決して「寂しい家」ではありません。
おひとり様住宅の本質
- 自分の理想を100%実現できる
- 誰にも妥協しなくていい
- 自分のペースで暮らせる
- でも、人を招ける
- 一人でも、豊かに暮らせる
Kさんは、それを証明してくれました。
最後に、Kさんからのメッセージ
記事を書くにあたり、Kさんに改めて感想を聞きました。
「離婚した時は、正直落ち込みました」 「でも、今は毎日が楽しいです」 「家を建てて、人生が変わりました」
「独身だから家を建てられない、なんてことはありません」 「むしろ、独身だからこそ、自分の理想を実現できます」
「迷っている人がいたら、ぜひチャレンジしてほしいです」
Kさんの言葉が、これからおひとり様住宅を考える方の背中を押すことを願っています。
元住宅営業マンからのメッセージ

34年間、様々なお客様の家づくりに携わってきました。
その中で、Kさんのような「おひとり様住宅」の成功例を見ると、本当に嬉しくなります。
家は、家族だけのものじゃない。 一人でも、豊かに暮らせる。
それを、これからも伝えていきたいと思います。
家づくりは正解が一つではありません。
本記事の内容が、後悔のない判断をするための参考になれば幸いです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ


筆者の考え方や立ち位置については当ブログについて
にまとめています。

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