まめおやじです。
ずいぶん昔の話です。
ある女性営業が退職になり、その顧客を引き継ぐこととなった。
ある日曜日、顧客と女性営業とで顔合わせと打合せを行った。面談はなごやかな雰囲気。
そう、これからなのに、残念ね でも結婚おめでとう。こちらこそ途中でごめんさなさい その日はさらっとした感じで、具体的な話はあまりなく、終わった。
次回、本格的に引継ぎ打合せをした方がよい。そう思い、来週の日時を約束した。
約束の日。確認のため、間取りについて、ひととおり、いちからすべて確認していく。2時間ほどで終了。特に問題なさそう。
ただ、次回打合せ日が、色々予定が入っているので、3週間後となったのが少し気にはなった。
1週間後、不動産関係の知り合いから連絡がはいった。
「A様 契約してますよね?実は私、A様の親戚なんです」
いつもより口調がかたい。いやな予感がする。
「え?そうなんですか。」
「実は●●ハウスと打合せに入ってまして。。。なんかそちらで建てたいらしいんですよ。
担当の方が辞められたんですって?不安らしいんですよ。黙っているのもあれなんでお耳にいれておこうと思いまして。」
怒りがこみあげてきた。知らせて頂いてありがとうございます、と電話をきる。
打合せに入っている?どういうこと?頭が混乱する。担当が辞めたから不安?●●で建てたい?解約するってことか?
落ち着け 冷静になれ こないだ間取りの確認もしっかりしたのに。
たしか、最後まで●●と競合していたな。
さては、契約後にしつこく●●の営業がつついてきたな、女性営業では不安じゃないですか?もう少し値引きしますんでぇ とか。
契約金はたしか、100万入金されていたな、約束の日まで、1週間ある。相手の出方をまとう。
約束の日の前日に事務所に電話がかかってきた。
「あのう、あれからよく考えたんですけど、やっぱり建てるのやめようかと」
「そうですか。一度お会いして詳しくお話をお聞かせ願えませんか」事前に情報が入っていたので、冷静につとめる。
「主人にやめるように連絡しろって言われているので。100万円返してもらえませんか」
「そうですか。工事請負契約を交わし、間取りも確定しています。
そちらの一方的な解約となりますと、振込頂いた100万円は返せませんが、よろしいですか?」
冷静に話そうとするが口調がきつくなる。
「それはおかしいんじゃありませんか。打合せも始まっていないのに。」
「前の担当と散々打合せして、金額面でも値段を提示して、契約してますよね。
それに私と間取りの最終確認までしているじゃないですか」
「担当の方がやめられて、私たちすごく不安なんですよ」
「不安なら、解消できるまで打合せさせていただきます。契約内容に担当者が変更になりませんなんて、記載はないですよ。
A様と会社の契約です。担当が変わったからといって、解約理由にはならないですよ。」
「100万円は返せないということですか?」
「今の段階では、こちらとしてもハイそうですかと、返金するつもりはありません。
ですし、こんな話を電話で簡単にするものではありません。一度、ご主人も交えてお会いして話をしませんか。」
「主人は忙しいんですよ。」
「それはお互いそうじゃないですか。私だって忙しいです。
重要な話なので、お互い時間つくってお会いしましょうと言っているんです。不安を解消しませんか?」
「100万円は返していただけないのですか?」
「そうですね。」
「一度主人と相談します」
すぐさま、上司に報告。契約後に競合先の●●が巻き返しを図り、担当の退職につけこんできて、●●に乗り換えしたい様子である。
なので、返金はしない方向ですすめます、と。大事な受注がひとつ減るが仕方がない。
金返せの一点張りで、面談にも応じてくれない、と。上司には、その線ですすめてくれと了解をとりつけた。
しばらくして、消費者相談センターから連絡があった。なるほど、そう来たか。
今までの経緯を説明し、こちらに非がない主張を説明し、ある程度は納得いただけたが、かなり言葉がきつくなってしまった。
その後、本社へも同じ連絡が入った。同じ内容を営業部長が聞かれたとのこと。
さらに4週間ほどたったある日。
「消費者相談センターから僕にも頻繁に連絡がくるんよ。正直僕も困っているのよ。
センターからは半々で決着つけてくれへんかって言われてて。センターも困っとるみたいなんよ。
君の言い分もわかるけど、僕に免じて頼むわ。もう終りにしようよ。」
「わかりました。部長がおっしゃるなら」
結局50万の返金でこの件は終了となった。
当時自分には非がなく、契約後に乗り換える相手が悪いと思っていた。まめおやじの対応が、なにかしらまずかったのかもしれない。
親戚は気をつかってそのことを言わなかったのかもしれない。A様も言いづらかったのかもしれない。
邪推かもしれないが、親戚は●●とも通じているので、彼が絵を描いたのかもしれない。
どうでもいいけど。
年を重ねた今、すべて相手が悪いと思わないようには、心がけてはいる。
少なくとも、そう思おうとはしている。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
あなたにとって良い一日を~まめおやじ
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