こんにちは。まめおやじです。
家を壊す――それは新しいスタートのための大切な一歩。
でも、解体工事は「ただ壊すだけ」ではありません。
意外とトラブルが多く、あとから「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も少なくありません。
本記事では、解体工事で起こりがちなトラブルやその対処法、トラブルを防ぐための事前準備などを、元住宅営業マンが、初心者の方にもわかりやすく紹介していきます。
- 古家付き土地を購入し、これから解体を検討している方
- 実家の建て替えを予定していて、解体工事に不安を感じている方
- 解体費用を少しでも安くしたいと考えている方
- 近隣トラブルが心配な方
- 初めての家づくりで、何から始めてよいか分からない方


1. 解体工事とは?

- 建物を取り壊して更地にする工事
- 木造・鉄骨・鉄筋コンクリートなど構造によって工法が異なる
- 解体費用は建物の大きさ・立地・構造によって変動する
- 手続きには「建設リサイクル法」の届出が必要なこともある
- 一般的な流れは「見積もり → 契約 → 着工 → 完了報告」
▼カンタン解説
解体工事とは、不要になった建物を取り壊し、土地を新たに活用できるように整える作業です。
構造や広さによって方法や費用が大きく変わるため、専門業者に事前調査してもらうことが重要です。
また、一定規模以上の工事では自治体に届出が必要な場合もあるので注意しましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

解体って「ただ壊すだけ」と思いがちですが、実は専門知識が必要な作業です。
解体からすでに「家づくり」が始まっているという意識を持ってください。
★「建替え」についてはこちらの記事もご覧ください。
2. 解体工事でよくあるトラブルとは?

▼よくあるトラブル
- 見積もりより高くなる
- 地中からガラ(廃材や基礎のコンクリート)が出てくる
- 近隣からの騒音・振動クレーム
- 工期が予定より延びる
- 契約書の内容と実際の作業が異なる
▼カンタン解説
解体工事では、特に「見積もりより費用が上がる」ケースが多く見られます。
地中に昔の基礎や廃材が埋まっていると、その撤去費用が追加されることも。
また、工事の音や振動で近隣からの苦情が出ることもあります。
契約内容や工期に関する認識のズレもトラブルの原因になるため、事前の説明と書面確認が不可欠です。
▼元住宅営業マンのひとこと

追加費用・近隣クレーム・スケジュールの遅れ。この3点は「解体あるある」。
防げるトラブルも多いので、契約前にきっちり確認しておきましょう!
3. トラブルが起きたときの対応方法

▼対処法
- 契約書・見積書をよく確認しておく
- 問題箇所は写真や動画で記録
- 会話の内容はメールやメモで残す
- すぐに業者と連絡をとる
- 感情的にならず冷静に対応する
▼カンタン解説
トラブルが発生したときには、まず契約書を見直しましょう。
追加費用や工期変更に関する条項が明記されていることが多いです。
また、現場の写真ややりとりの記録を残しておくと、話が食い違ったときに役立ちます。
冷静さを保ちながら、証拠を持って丁寧に交渉することが大切です。
▼元住宅営業マンのひとこと

壊す前の周囲の状況も必ず写真か動画で記録を残しましょう。
トラブルのときこそ、慌てず冷静に。
証拠を押さえておけば、こちらの主張も通りやすくなりますよ。
★「外構トラブル」についてはこちらの記事もご覧ください。
4. トラブルを未然に防ぐポイント
▼予防策
- 複数業者から相見積もりを取る
- 契約前に作業内容と範囲を詳細に確認
- 契約書や見積書を必ず書面でもらう
- ご近所へ事前に挨拶しておく
- 工事中に現場を定期的に確認する
▼カンタン解説
トラブルを防ぐには、まず「比較」と「確認」が大切。
相見積もりを取ることで適正価格がわかり、不明点も見えてきます。
契約書・見積書は口約束で済ませず、必ず書面化を。
また、工事前の近隣挨拶と現場チェックも、クレームや不安を減らす有効な手段です。
▼元住宅営業マンのひとこと

「事前確認」と「現場チェック」。これを徹底すれば、8割のトラブルは防げます。
特に契約書の読み込みはマスト。比較する場合は同じ条件で見積を。
5. 解体業者の探し方・選び方

▼探し方
- 自分でネットやポータルサイトから探す
- 知人・親戚・職場の紹介
- 建てる住宅会社に紹介してもらう
▼カンタン解説
業者の探し方は大きく3つ。
「自分で探す」「紹介を受ける」「住宅会社に任せる」です。
自分で探す場合は、口コミや施工実績をよく確認すること。紹介の場合も、実際にその人が使ったかどうかを聞くと安心です。
住宅会社経由ならアフターも含めて一貫対応してくれることが多いです。
▼元住宅営業マンのひとこと

紹介を受ける場合は、信頼できる人じゃないとコワいです。単に紹介料目当ての人もいますから・・・
安さだけで決めるのはNG。
「見積内容が明快か」「説明が丁寧か」も業者選びの重要ポイントです!
6. 解体費用っていくら?|費用の目安と構造・坪数別比較表

▼解体費用の目安(一般的な相場)
構造 | 坪単価の目安 | 30坪の場合 | 40坪の場合 |
---|---|---|---|
木造 | 3〜5万円/坪 | 90〜150万円 | 120〜200万円 |
軽量鉄骨造 | 4〜6万円/坪 | 120〜180万円 | 160〜240万円 |
重量鉄骨造 | 6〜8万円/坪 | 180〜240万円 | 240〜320万円 |
※上記は建物本体の解体費用の目安です。別途、外構・庭木・残置物・アスベスト処理などが加算されることもあります。
▼カンタン解説
解体費用は「建物の構造」「坪数」「立地」「付帯物の有無」によって大きく変動します。
木造住宅が最も安価で、鉄骨になるほどコストが上がります。
さらに、都市部・住宅密集地は作業車の進入や搬出が難しいため、追加費用がかかりやすいのも注意点です。
解体費用には次のような内訳が含まれることが一般的です
- 建物の解体作業
- 廃材の運搬・処分費
- 養生・近隣対策費
- 重機や人件費
- 仮設トイレ・水道の設置費(必要な場合)
また、「残置物(家具や家電などのゴミ)」があると、処分費が大幅に増えるため、事前の片付けや仕分けでコストダウンが可能です。
市町村の不用品処分を利用をおススメします。
▼元住宅営業マンのひとこと

「えっ、こんなにかかるの!?」という声をよく聞きました。でも、比較と準備で20〜30万円の差が出るのが解体です。
相見積もりはもちろん、現地立ち合い時に「見落としがないか」をチェックするのがコツです。
7. 解体工事の費用や手間を左右する7つの項目

▼チェックポイント
- 平屋か二階建てか
- 土地の間口が狭い
- 隣接地との間隔が狭い
- 大きな家具が残っている
- 庭に大きな木が生えている
- アスベスト(石綿)除去工事が必要
- 地下室がある
▼カンタン解説
- 平屋か二階建てか
階数が増えると、当然ながら解体にかかる作業量・廃材量も増えます。重機の作業時間も延びるため、二階建ては費用が高くなる傾向があります。足場代も増えます。
- 土地の間口が狭い
道幅や敷地の入口(間口)が狭いと、重機やトラックが入れず小型機械・手作業になることも。その分、日数と人件費が増えます。
- 隣接地との間隔が狭い
近隣との距離が近い場合、養生シートや騒音・粉じん対策が強化されるため費用アップ要因になります。また、工事中に傷つけないよう慎重な作業が求められます。
- 大きな家具が残っている
タンス・ベッド・ピアノなどの大型家具が家の中に残っていると、「産業廃棄物」として追加費用が発生します。事前に片付けておくと費用が抑えられます。
- 庭に大きな木が生えている
樹木の伐採・根の撤去には重機が必要な場合もあり、庭木の本数や太さによって追加費用の幅が大きいです。
- アスベスト(石綿)除去工事が必要
古い建物(特に昭和〜平成初期)には、屋根材・壁材にアスベストが使われている可能性があります。調査・届出・除去費用が10〜100万円超と高額になるケースも。
- 地下室がある
地中構造物(地下室・防空壕・古井戸など)がある場合、掘削・埋戻し作業が必要になるため、工期と費用が増加します。見積もり時に必ず伝えておきましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

家の大きさより、こうした“見えにくい要素”が費用を左右することが多いです。見積り時に立ち会って、「ここ費用に入ってますか?」と必ず確認するクセをつけましょう。特にアスベストと庭木の有無は要注意ポイントです!
8. 解体費用が上がる条件ランキング【TOP7】

ランク | 条件 | 解説 |
---|---|---|
🥇1位 | アスベスト(石綿)が含まれている | 調査・届出・専門業者による撤去が義務づけられ、10万〜100万円超の追加費用になることも。最もコストに直結。 |
🥈2位 | 隣地との距離が狭い(住宅密集地) | 養生(防音・防塵)や手作業の比率が増え、人件費・工期が大幅増。近隣対応費も上乗せされやすい。 |
🥉3位 | 地下室・地中構造物がある | 掘削・埋め戻し・安全対策などで作業が複雑化。想定外の出費になることが多く、要事前申告。 |
4位 | 庭に大きな木・切り株がある | 重機・運搬費・根の撤去費がかかる。1本あたり1万〜数万円が目安。放置されていると費用上昇。 |
5位 | 家の中に大型家具・ゴミが残っている | 残置物処理は解体と別作業。産廃費用や分別手間が増えるため、自分で片付けるのが◎。 |
6位 | 重機が入らない狭小地・間口が狭い土地 | 小型重機・手壊し作業になると、通常の2倍以上の人件費がかかることも。 |
7位 | 二階建てや大きめの建物 | 作業量・廃材量が増えるため、当然費用もアップ。ただし他の要因ほど急激には上がらない。 |
▼元住宅営業マンのひとこと

意外と1位はアスベスト。しかも、施主側が知らずに進めて、追加見積もりで驚くパターンが多いです。
9. 解体費用を抑えるコツ

▼節約テク
- 相見積もりを3社以上からとる
- 自分で中の不用品を処分する
- 補助金や自治体の支援制度を確認する
- 工事時期を含めて値段交渉する
▼カンタン解説
解体費用は条件次第で数十万円単位の差が出ることもあります。相見積もりは基本中の基本。
不用品を事前に片づけておけば、撤去コストを抑えられます。
また、補助金が出る地域もあるので、市役所などで事前に確認を。繁忙期(春・秋)を避けるのもひとつの手です。
▼元住宅営業マンのひとこと

「費用を抑えたいなら、行動は早めに」。工事の前段階からやれることはたくさんあります。
自分で処分は前もってコツコツやりましょう。一気には無理です。
10. 近隣トラブルに注意!

▼よくある近隣問題
- 騒音や振動によるクレーム
- ほこり・粉じんの飛散
- トラックの出入りで通行妨害
- 挨拶なしで工事を始めて印象悪化
- 境界線をまたいで作業してしまう
▼カンタン解説
解体工事はどうしても音や振動が発生します。
事前に挨拶をしておくだけで、印象が大きく変わることもあります。
また、作業が隣地にはみ出るとトラブルになりがちなので、境界線や足場の位置も業者とよく確認を。
粉じん対策のシートや散水の有無もチェックポイントです。
▼元住宅営業マンのひとこと

「解体後にご近所付き合いが気まずくなった…」なんてケースも。
最初の挨拶と気配りが、あとあと大事になりますよ。
業者挨拶のまえにご自身で挨拶をおススメします。一緒に挨拶も◎
★「隣家とのトラブル」についてはこちらの記事もご覧ください。
11. 実際にあったトラブル事例集

▼実例紹介
- 解体後に「地中に古井戸が出てきて追加費用が発生」
- 業者が隣家の塀を壊してしまい賠償トラブルに
- 近隣への挨拶なしで騒音クレーム→工事中断
- 契約前の見積もりにはなかった費用が請求された
- 工期が予定より1週間以上遅れ、次工程がずれ込んだ
▼カンタン解説
実際の現場では、予想外のことがよく起こります。
特に地中の埋設物や井戸などは、事前に調べにくいため注意が必要です。
また、契約書があいまいだと、「言った・言わない」のトラブルにつながります。
こうした事例を参考に、事前にできる対策をしっかり行いましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

実例はトラブルの宝庫。逆に言えば、「起こりうるリスクを事前に知っておくこと」こそが最大の予防策です
12. 解体後に気をつけること
▼注意点
- 残置物や瓦礫がないか現地を確認
- 境界杭が動いていないか確認
- 解体証明書をもらう
- 次の工程(造成・建築)業者に引き継ぎ内容を伝える
▼カンタン解説
解体後はすぐに次の建築工程に入るわけではありません。
解体時に境界杭がズレると隣地トラブルの原因になるため、きちんと確認を。
解体証明書は登記や建築確認に使う場合があるので、必ずもらっておきましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

結構残っていたりしますので、確認後、何かあったら業者へすぐ連絡。
また、解体工事は遅れるものと思って後工程に余裕を持たせましょう。
地面の高さを下げたい場合、解体工事で調整した方が、一般的には安く済みます。
住宅会社で土を処分すると追加費用がかかる場合があります。
解体前に住宅会社・解体業者と一緒に現地で高さを決めておくことをおススメします。
★「外構トラブル」についてはこちらの記事もご覧ください。
13. まとめ
- 解体工事は事前準備と確認が命
- トラブルの多くは「説明不足」と「確認不足」から起きる
- 費用も業者対応も比較することで、安心して進められる
- ご近所対応はおろそかにしない
- 解体後の工程はゆったりとスケジュールを組む
▼カンタン解説
解体工事は、家づくりの「スタート地点」とも言える大事な工程です。
トラブルの多くは回避可能なものばかり。
この記事で紹介した対策やポイントを押さえることで、安心・安全に進めることができます。
焦らず、ひとつずつ確認していきましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

解体工事は「ただ壊す」だけじゃない。次の家づくりにつなげるための“土台づくり”です。解体前に高さを決めることが重要です。


ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ
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