こんにちは。まめおやじです。
家を建てるときにまず悩むのが「木造にするか、鉄骨にするか」
どちらも一長一短があり、家族構成や予算、土地条件によって向き・不向きが変わってきます。
本記事では、木造住宅と鉄骨住宅の違いやそれぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
元住宅営業マンの目線も交えながら、後悔しない選び方のヒントをお届けします。
- これから家を建てる人
- 鉄骨か木造か迷っている人
- 耐震を重視したい人
- 断熱性など快適さを重視したい人

1. 木造住宅とは

木造では大きく二つに分かれます。
◆木造住宅の種類
- 在来工法(木造軸組工法)
日本で最も普及している伝統的な建築方法。柱と梁で構造をつくるため、間取りの自由度が高い。 - 例):住友林業・一条工務店・積水ハウス(シャーウッド)・ヤマダホームズなど
- ツーバイフォー(2×4工法)
アメリカ発の工法で、壁で家を支える構造。耐震性・気密性に優れるが、間取りの変更がしにくい。 - 例):ミサワホーム・三井ホーム・スウェーデンハウスなど
◆木造住宅の特徴(ポイント)
- 全国の新築住宅の約8割が木造
- コストが比較的安く、工期も短め
- 木のぬくもりや調湿効果がある
- 火災保険は鉄骨より高くなる傾向あり
2. 鉄骨住宅とは

◆鉄骨住宅の種類
- 軽量鉄骨造
厚さ6mm未満の鋼材を使った住宅。プレハブ住宅に多く採用される。工場生産による品質の安定が特徴。 - 例):積水ハウス・大和ハウス・セキスイハイム・パナソニックホームズ・トヨタホームなど
- 重量鉄骨造
6mm以上の厚い鋼材を使った構造。中高層マンションや3階建て以上の住宅など、強度が必要な建物に用いられる。 - 例):へーベルハウスなど
◆鉄骨住宅の特徴(ポイント)
- 柱や梁に「鉄」を使用して構造を支える
- 精度が高く、耐震・耐風性能に優れる
- 広い空間を取りやすく、開口部が大きくできる
- 木造よりコストが高くなりやすい
- 火災保険料が木造より安い傾向
3. 木造住宅のメリット

それぞれ特徴があります。
◆木造のメリット
- コストが抑えられる
鉄骨より材料費・工事費が安く、建築コスト全体が低く済みやすい。 - 断熱性に優れている
木は熱を伝えにくく、夏は涼しく冬は暖かい住環境がつくりやすい。 - 調湿効果がある
木材は湿度を調整する性質があり、室内の快適さに寄与する。 - 間取り変更がしやすい
在来工法なら、将来的なリフォームや間取り変更が柔軟にできる。 - 施工会社の選択肢が多い
木造を扱える業者が多く、希望に合った会社を選びやすい。 - 工期が比較的短い
プレカットされた木材の組み立てが早く、着工から引き渡しまでがスムーズ。

日本の気候に合っているし、作る人の数が多いですね。
4. 木造住宅のデメリット

◆木造のデメリット
- 耐火性が低い
木は燃えやすいため、火災リスクや火災保険料が高くなりやすい。 - シロアリの被害リスクがある
木材が主な構造材のため、防虫処理や定期点検が重要。 - 防音性がやや劣る
鉄骨やコンクリートに比べて音を通しやすい傾向がある。 - 経年劣化しやすい
湿気や気温の変化で木材が収縮・膨張し、歪みやきしみが出やすい。 - 大空間・大開口が苦手
構造上、広い空間をつくるには補強や工夫が必要になる。

大空間は鉄骨にはかなわないかなあ。
5. 鉄骨住宅のメリット

それぞれ特徴があります。
◆鉄骨のメリット
- 耐震性・耐風性に優れる
強度のある鉄骨で構造を組むため、大きな地震や強風にも強い。 - 耐火性が高い
鉄は燃えにくいため、火災時の倒壊リスクが低く、火災保険料も安め。 - 大空間・大開口が可能
柱を減らして広い空間をつくれるため、開放的な間取りや大きな窓が設計しやすい。 - 経年劣化が少ない
木のように反りや曲がりが少なく、経年変化によるゆがみが起きにくい。 - シロアリの心配が少ない
鉄なので虫害のリスクが極めて低い。

シロアリの心配がないのはイイね。シロアリ薬剤散布の更新もいらないし。
6. 鉄骨住宅のデメリット

◆鉄骨のデメリット
- コストが高くなりやすい
材料費・工事費ともに木造より高く、トータルの建築費用が上がりがち。 - 断熱・結露対策が必要
鉄は熱を通しやすく、断熱材の施工が不十分だと結露や寒さの原因に。 - 間取りの自由度が下がることも
プレハブ化された構造では、後からの間取り変更が難しい場合もある。 - 工期が長くなる場合がある
構造設計や鉄骨の製作・搬入に時間がかかることがある。 - 業者が限られることも
鉄骨に対応できる工務店は限られ、選択肢が狭くなる地域も。

床は木造と比べる冬の朝は冷えるかな
★「断熱材について」はこちらの記事もご覧ください。
7. 木造住宅と鉄骨住宅の比較

◆比較表(木造 vs 鉄骨)
比較項目 | 木造住宅 | 鉄骨住宅 |
---|---|---|
コスト | ◎ 安価(建築費を抑えやすい) | △ 高め(材料・工事費がかさむ) |
断熱性能 | ◎ 高い(木は熱を通しにくい) | △ 要対策(断熱材が必須) |
耐震性 | ◯ 工法により強化可 | ◎ 高い(構造的に強固) |
耐火性 | △ 燃えやすい | ◎ 燃えにくい |
地盤への対応 | ◎ 軽量で地盤の弱い場所でも対応可 | △ 重量があるため補強が必要な場合も |
大空間 | △ 制限あり(柱・壁の配置制約) | ◎ 広い空間をつくりやすい |
地域の対応 | ◎ 業者が多く対応しやすい | △ 対応できる会社が限定的 |
火災保険料 | △ 高め | ◎ 安め(火災リスク低) |
固定資産税 | ◎ 評価が低く税金も抑えられる傾向 | △ 評価が高く税額が上がることも |
解体費用 | ◎ 安め(簡単な工法が多い) | △ 高め(解体に手間がかかる) |
◆補足ポイント
- コスト面:建築費を抑えたいなら木造、耐久性や性能を優先するなら鉄骨。
- 性能面:断熱性・湿度調整は木造、耐震・耐火は鉄骨が有利。
- ライフスタイルとの相性:設計自由度・将来のリフォーム重視なら木造。大空間や都市型の3階建てなどは鉄骨が向いています。
◆比較項目ごとの解説
コスト
- 木造は材料費・施工費が安く済みやすく、坪単価も抑えやすい。
- 鉄骨は構造材や加工にコストがかかり、総額が上がる傾向。
断熱性能
- 木造は木自体に断熱性があり、断熱材との相性も良好。
- 鉄骨は熱伝導率が高いため、断熱材をしっかり入れないと結露や寒さの原因になる。
耐震性
- 木造でも在来軸組や耐震設計で対応可能だが、構造上は柔構造。
- 鉄骨は強度が高く、剛構造で揺れに強いため高層や大開口に向く。
耐火性
- 木造は可燃性があり、防火処理や防火構造での対策が必要。
- 鉄骨は燃えにくいが、高温での強度低下には注意(耐火被覆が重要)。
地盤への対応
- 木造は軽く、弱い地盤にも基礎補強が少なく対応しやすい。
- 鉄骨は重量があるため、軟弱地盤では基礎補強コストがかさむ可能性がある。
大空間
- 木造は構造的に柱や壁が多くなり、間取りに制限が出ることも。
- 鉄骨は柱なしで広い空間をつくりやすく、店舗や2階リビングに向く。
地域の対応
- 木造は全国の工務店が対応可能で、選択肢が多い。
- 鉄骨は対応できる業者が少なく、地域によっては選びにくい。
火災保険料
- 木造は火災リスクが高いため保険料も高くなりがち。
- 鉄骨は燃えにくいため保険料が比較的安価。
固定資産税
- 木造は評価額が下がりやすく、税金も早く安くなる傾向。
- 鉄骨は評価額が高くなりやすく、税額も上がることがある。
解体費用
- 木造は比較的簡単に壊せるため、費用も抑えやすい。
- 鉄骨は手間がかかり、重機の使用や産廃処理費が高くなることも。

火災保険料は木造の場合、省令準耐火構造なら変わりませんよ。
8. こんな人は木造住宅が向いている

- 建築費を抑えたい人
- 将来的にリフォームや増改築を考えている人
- 温かみのある自然素材の家が好みの人
- 地盤が弱い土地での建築を検討している人
- 工務店や地域密着の住宅会社と建てたい人

一番コスパは良いですね。
木造住宅はコストや設計の柔軟性に優れ、「将来を見据えた家づくり」をしたい方におすすめです。
地元密着の工務店も多く、相談しやすい点も魅力です。
9. こんな人は鉄骨住宅が向いている

- 耐震性や耐火性を重視する人
- 大空間リビングやビルトインガレージが欲しい人
- 狭小地や3階建ての都市型住宅を検討している人
- メンテナンス頻度を抑えたい人
- 火災保険料を抑えたい人

鉄骨は最大約6Mもスパンがとばせます。広く感じました!
鉄骨住宅は「安心・安定」を求める方にぴったり。
特に都市部での土地活用や、大開口の設計を希望する方に向いています。
★「3階建て」についてはこちらの記事もご覧ください。
10. 【実例】元住宅営業マンの場合

- 結論: 私は木造住宅を選びました。
- 理由:軽量で断熱性も高く、メンテナンス費用も抑えられる木造住宅を選択。平屋住宅なので、木造でも十分な耐震性能を確保でき、家族にとって住みやすい設計ができました。火災保険は省令準耐火とし、一般木造の半額となりました。
11. まとめ
- 木造住宅は「コスト重視」「設計自由度重視」におすすめ
- 鉄骨住宅は「性能重視」「大空間・都市型設計」におすすめ
- 自分や家族のライフスタイル、土地条件に合わせて選ぶのが大切
- 最終的には「信頼できる建築会社」と一緒に納得のいく選択を!
筆者は木造・鉄骨の両方を扱いましたが、そんなに遜色はないかなと思いました。火災保険は省令準耐火にすれば同じだし、固定資産税も実際はそんなに変わりません。鉄骨は冬の暖房だけしっかりすれば全く問題なし。正直、あまり気にしなくてもいいかな、と思ってます。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ

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