【実例】元住宅営業マンのリアル体験|現場 vs 本社 住宅営業のリアルな攻防戦

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こんにちは。元住宅営業マンまめおやじです。

住宅営業の仕事には、契約や顧客対応だけでなく、さまざまな社内調整も含まれます。

特に、本社と現場の関係は、時にスムーズに進み、時に摩擦を生むものです。

今回は、郊外の分譲地で営業していた頃のエピソードをお話しします。

本社からの視察対応を任された筆者が、現場の都合を無視する本社に振り回されつつも、冷静に対処する様子を描いています。

この記事はこんな人におススメ
  • 住宅業界に興味がある人
  • 現役営業マン

1.郊外の分譲地での営業所勤務

筆者が働いていたのは、郊外にある分譲地の営業所。土地の価格が比較的安く、都心へのアクセスも悪くないため、多くの人がマイホームを求めて訪れるエリアでした。

自社で販売区画を抱え、新商品が出るたびにモデルハウスを建て、集客につなげるスタイル。

訪れたお客様にリアルサイズの家を体感してもらい、その魅力を伝えることで、土地を購入し家を建ててもらうという営業戦略でした。

モデルハウスの活用方法は多岐にわたります。

  • 契約前の顧客に家の広さや間取りを体感してもらう
  • 契約後の顧客にクロスや床材、設備を確認してもらう
  • 家具のレイアウトを考える際の参考にしてもらう

このため、土日は営業所が賑わい、他店の営業スタッフや多くの顧客で活気づいていました。

当然、営業成績も上向きになります。

その結果、本社からの視察が来ることも珍しくありませんでした。


2.本社視察という名の「現場の負担」

本社の視察といえば、営業所にとっては一大イベントです。

とはいえ、彼らの目的は単なる確認ではなく、「本社の視点」で現場を見たいというもの。

本社の都合でスケジュールが組まれ、現場の事情は二の次になることもしばしばでした。

視察の日が決まると、営業所はその対応に追われます。

  • 送迎の手配
  • 現場案内の準備
  • 質疑応答の段取り

しかも、視察に来る本社の人間は、現場の忙しさをほとんど考慮してくれません。

営業所のスタッフは日々の業務に追われながら、本社の人間をもてなすことになるのです。


3.送迎できないことを事前に伝えたのに…

ある日、私は本社からの視察対応を任されました。

しかし、すでに当日は地鎮祭と重要な打ち合わせがあり、14時には営業所を出なければならないスケジュールでした。

そこで、事前に本社へメールを送りました。

「その日は地鎮祭と打ち合わせがあるため、14時には営業所を出発しなければなりません。他のメンバーの商談状況もあり、帰りの送迎対応はできません。」

ところが、メールの返信はなし。

「もしかして伝わっていないのでは?」と不安を感じながらも、当日を迎えました。


4.本社の視察当日、そして予想通りの展開

当日、駅まで迎えに行き、視察対応を開始。案内を進めるうちに、本社の人間の印象は悪くなさそうで、順調に進んでいるように見えました。

しかし、14時を迎えた時点で、まだ本社の人間は現地を視察中。時間が押していることを察し、筆者は笑顔で切り出しました。

「では、予定がありますので、これで失礼いたします。」

本社の人間も笑顔で別れ、筆者はその場を離れました。

少しホッとしたのも束の間、次の予定に向かう車の中で携帯が鳴ります。

「あのう、足がないんですけど。」

怒気を抑えた口調でした。


5.「普通」は誰の基準なのか?

予想通りの展開に、筆者は冷静に対応します。

「ですから、この日は前から予定があるとお伝えしていましたよね?」

本社の人間は言葉を濁しながらも、「普通、本社の人が来たら送るもんじゃないですか?」と不満げに言いました。

筆者は静かに答えました。

「何が普通かはわかりませんが、時間があれば対応します。でも今回は、たまたま対応できなかっただけです。バスがありますから、帰る手段がないわけではありません。」

すると、電話が突然切れました。本社の人間が一方的に通話を終了させたのです。


6.まとめ:勘違いを生む社内文化

このような状況は、現場と本社の関係において珍しくありません。

なぜ、本社の人間は「送迎が当然」と思ったのでしょうか?

その背景には、過去の慣習があります。

  • 本社の人間が来ると、営業所が歓迎し、過剰に接待する
  • 迎える側が気を遣い、送迎やお土産を用意する
  • それが「当たり前」になり、やがて本社の人間がそれを当然のことと認識する

しかし、現場は日々の業務に追われており、本来であれば、送迎よりも顧客対応が優先されるべきです。

社内の「普通」や「慣習」が、現場に過剰な負担を強いているのです。

今回の件を通じて、私は改めて「仕事における優先順位」を考えさせられました。

本社と現場の関係は、時に摩擦を生みます。

しかし、現場の事情を無視した「当然のルール」には、時には冷静に対応し、必要であれば断ることも大切です。

あなたの職場にも、似たような「勘違い文化」はありませんか?

ここまで読んで頂きありがとうございました。

あなたにとって良い一日を~まめおやじ

この記事を書いた人
まめおやじ

元住宅営業マンが、業界在籍34年の経験を活かし、これから家を考えている人に役立つ情報を発信するブログ。

自宅:木造平屋(2019年築)受賞歴あり
経歴:大手木質系プレハブ会社
   大手鉄骨系プレハブ会社
   木造在来工法ビルダー
資格:宅建士
   ファイナンシャル
   プランナー

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