こんにちは、元住宅営業マンのまめおやじです。
10月に入り、少し涼しくなってきましたが、近年、日本の夏は「猛暑」という言葉では足りないほどの過酷さになってきましたね。
連日35度を超える猛暑日、夜になっても気温が下がらない熱帯夜…。
「家の中にいても、なんだか暑い…」
「エアコンをつけっぱなしだと電気代が心配…」
こんなお悩み、これから家を建てるあなたも抱えていませんか?
私が住宅営業マンとして多くのお客様と接する中で、夏の暑さ対策は家づくりの重要なテーマだと痛感してきました。
せっかく建てたマイホームで、夏の間ずっと暑さに悩まされるのは避けたいですよね。
この記事では、私が経験してきた「猛暑に強い家」の秘密を、これから家を建てるあなたに分かりやすくお伝えします。
エアコンに頼りすぎず、自然の力を活かしながら、一年中快適に過ごせる家づくりのヒントを一緒に見ていきましょう。
- これから家を建てる予定で、夏の暑さ対策に関心がある方
- 現在の住まいの暑さに不満があり、次の家づくりで改善したいと考えている方
- エアコンに頼りすぎず、自然の力を活かした快適な住まいを求めている方
- 高気密・高断熱住宅の夏の快適性について疑問や不安がある方


1.なぜ家は暑くなる?「涼しい家」の基本を知ろう

「夏、家の中が暑い」と感じるのには、明確な理由があります。
その原因を知ることが、「涼しい家」づくりの第一歩です。
夏の室温上昇の主な原因は「窓」と「壁・屋根」
家が暑くなる最大の原因は、窓からの日射熱です。
夏の冷房時、外から室内に流れ込む熱エネルギーの約70%は、窓などの開口部から入ってくると言われています。
特に、日差しの強い南向きや西向きの窓は要注意です。
また、屋根や外壁も太陽の熱を吸収し、その熱が室内に伝わることで家全体が温まってしまいます。
まるで魔法瓶のように、外の熱を遮断し、中の涼しさを保つ工夫が必要なのです。

最近、窓の少ない家が多くなってますね
「涼しい家」の基本要素は「断熱」「気密」「日射遮蔽」「通風」
猛暑に強い家を実現するためには、以下の4つの要素が欠かせません。
- 断熱性: 外の熱を室内に伝えにくくする性能。
- 気密性: 家の隙間をなくし、空気の出入りを抑える性能。
- 日射遮蔽: 太陽の熱を窓や壁から入れない工夫。
- 通風: 自然の風を効果的に取り入れ、室内の熱を排出する計画。
これらの要素をバランス良く取り入れることで、エアコンに過度に頼ることなく、快適な室内環境を保つことができるのです。
2.猛暑に強い家を実現する「3つの柱」:元住宅営業マンが教える設計のポイント
それでは、具体的にどのような工夫をすれば「猛暑に強い家」になるのでしょうか。
私がお客様にご提案してきた中で、特に重要だと感じた「3つの柱」をご紹介します。
柱1:高気密・高断熱で「熱を入れず、冷気を逃がさない」

「高気密・高断熱」という言葉はよく聞くと思いますが、これは「涼しい家」づくりの基本中の基本です。
魔法瓶をイメージしてください。
外の熱を中に伝えにくく、中の冷気を外に逃がさない。これが高気密・高断熱の役割です。
- 断熱材の重要性: 壁、天井、床に適切な断熱材をしっかりと施工することが大切です。断熱材には様々な種類があり、それぞれ特徴があります。家全体を包み込むように断熱する「外断熱」と、柱と柱の間に断熱材を入れる「内断熱」があり、これらを組み合わせることでより高い効果が期待できます。
- 気密性の確保: どんなに良い断熱材を使っても、家に隙間だらけでは意味がありません。隙間から熱い空気が侵入したり、冷気が逃げたりしてしまいます。気密性を高めることで、外気の影響を受けにくくし、エアコンで冷やした空気を効率よく保つことができます。
- 「夏は蒸し風呂になる」は誤解!: 「高気密・高断熱の家は夏に熱がこもって蒸し風呂になる」という誤解を耳にすることがありますが、これは間違いです。適切な換気システムと日射遮蔽を組み合わせれば、夏も冬も快適に過ごせます。むしろ、外の熱気が入りにくいため、一度冷やせばその涼しさが長持ちするのです。
- 窓の選び方: 窓は熱の出入りが最も多い場所。断熱性能の高い窓を選ぶことが非常に重要です。複層ガラス(二重ガラス)や、特殊な金属膜で日射熱をカットするLow-Eガラスなどを採用することで、窓からの熱の侵入を大幅に抑えることができます。
◆断熱材についてはこちらの記事もご覧ください

柱2:日射遮蔽で「太陽の熱をシャットアウト」

先ほどお話しした通り、窓からの日射熱は夏の暑さの最大の原因です。
これをいかに防ぐかが、「涼しい家」の大きなポイントになります。
- 軒や庇(ひさし): 日本の伝統的な家屋には、深い軒や庇がありました。これは単なるデザインではなく、夏の強い日差しを遮り、冬の低い日差しを取り入れるための知恵です。現代の家づくりでも、軒や庇を適切に設けることで、窓から入る日射熱を効果的にカットできます。
- オーニングやアウターシェード: 窓の外側に設置するオーニングやアウターシェードも非常に有効です。日差しを物理的に遮ることで、室温の上昇を大きく抑えることができます。特に西日が当たる窓には必須と言えるでしょう。
- ルーバーや遮熱カーテン・ブラインド: デザイン性も兼ね備えたルーバーや、室内の熱を反射する遮熱カーテン・ブラインドも有効な手段です。これらを上手に活用することで、室内の快適性を高めることができます。
- 設計の工夫: 南向きや西向きの窓は、日射遮蔽を特に意識した設計が必要です。一方で、冬は太陽の光を積極的に取り入れたいので、季節によって日差しをコントロールできるような工夫が求められます。
柱3:自然の風を活かす「通風・換気計画」

エアコンだけに頼らず、自然の風を上手に活用することも「涼しい家」には欠かせません。
風の通り道を意識した間取り計画が重要です。
- 窓の配置: 家の中に風の通り道を作るためには、窓の配置がカギとなります。対面する位置や対角線上に窓を設けることで、風が家の中を通り抜けやすくなります。また、吹き抜けや高窓を設けて、暖かい空気が上へ抜ける「煙突効果」を利用するのも効果的です。
- 24時間換気システム: 高気密住宅では、計画的な換気が非常に重要です。24時間換気システムは、室内の空気を常に新鮮に保ち、湿気や汚れた空気を排出する役割があります。電気代を気にして止めてしまう方もいますが、健康のためにも止めずに稼働させ続けることをお勧めします。
- シーリングファン: 室内の空気を循環させるシーリングファンも、冷房効率を高めるのに役立ちます。エアコンと併用することで、設定温度を上げても涼しく感じられ、省エネにもつながります。
◆換気についてはこちらの記事もご覧ください

3.さらに快適さを追求!「猛暑に強い家」の先進技術と設備
基本の3つの柱に加えて、さらに快適性を高めるための先進技術や設備もご紹介します。
- 全館空調システム: 家全体を一台の空調機で快適な温度に保つシステムです。部屋ごとの温度差がなくなり、ヒートショックのリスク軽減にもつながります。初期費用はかかりますが、家全体の快適性を考えると検討する価値は十分にあります。
- パッシブデザイン: 太陽の光や熱、風といった自然エネルギーを最大限に活用し、機械設備に頼りすぎずに快適な室内環境を作る設計思想です。日射遮蔽や通風計画もパッシブデザインの一部と言えます。
- ZEH(ゼッチ)住宅: 「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、高い断熱性能と省エネ設備、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることで、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロ以下にする住宅です。ZEHは、まさに「猛暑に強く、冬も暖かい」理想の家と言えるでしょう。
4.元住宅営業マンからのアドバイス:後悔しない家づくりのために

私が住宅営業マンとしてお客様の家づくりをサポートしてきた中で、最も大切だと感じたのは「後悔しないための準備」です。
- 設計段階での徹底的な検討: 暑さ対策は、家が建ってからではなかなか変えられません。設計の段階で、断熱材の種類、窓の配置、軒の深さ、換気計画などを住宅会社や設計士と徹底的に話し合いましょう。 疑問に思ったことは、どんな小さなことでも質問してください。
- 専門家との相談: 住宅会社や設計士は、家づくりのプロです。 あなたのライフスタイルや希望を明確に伝え、最適な提案を引き出しましょう。彼らの知識と経験を最大限に活用することが、成功への近道です。
- 実例見学のすすめ: 実際に「猛暑に強い家」を見学し、その快適さを体感することは非常に重要です。モデルハウスや完成見学会に足を運び、夏場の室温や風の通り方などを自分の目で確かめてみてください。
- ライフスタイルに合わせた選択: 家族構成や将来の暮らし方を考慮し、あなたにとって最適な暑さ対策を見つけることが大切です。例えば、日中家にいることが多いのか、共働きで夜しか家にいないのかによっても、最適な対策は変わってきます。
5.まとめ:猛暑の夏も快適に!理想の「涼しい家」で豊かな暮らしを

年々厳しくなる日本の夏。しかし、「猛暑に強い家」を建てることで、あなたは快適で健康的な暮らしを手に入れることができます。
高気密・高断熱、日射遮蔽、通風計画、そして先進技術の活用。
これらの要素をバランス良く取り入れることで、エアコンに頼りすぎず、省エネで、そして何よりも家族みんなが笑顔で過ごせる「涼しい家」が実現します。
これから家を建てるあなたにとって、この記事が後悔のない家づくりの一助となれば幸いです。
理想の「涼しい家」で、豊かな暮らしを送ってくださいね!
元住宅営業マンまめおやじ ブログ:正直住宅コンサルタント 住宅購入や建築に関する正直で実践的なアドバイスを発信中!


ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ
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