こんにちは。元住宅営業マンまめおやじです。
「断熱材って種類が多くて、何を選べばいいのか分からない…」と悩んでいませんか?
この記事では、代表的な7種類の断熱材について、それぞれの特徴・メリット・デメリットを分かりやすく解説します。また、コスパ比較、地域別おススメ断熱材も参考にしてください。
- これから家を建てる人
- 断熱材を決めかねている人
- 寒いのが苦手な人
- 暑いのが苦手な人
これから家づくりをする方、はぜひ参考にしてみてください!


1. 断熱材の種類と特徴
- グラスウール
- ロックウール
- 発砲ウレタン(現場・ボードタイプ)
- セルロースファイバー
- フェノールフォーム
- EPS・XPS(押出法・ビーズ法ポリスチレンフォーム)
- 羊毛断熱材・炭化コルク
1-1.グラスウール:
グラスウールはガラスを細い繊維状にした断熱材です。
再生ガラスなどを高温で溶かし、綿のように成形したもので、建築用だけでなく吸音材としても広く使われています。
メリット:
① コストパフォーマンスが高い
グラスウール最大の魅力は「安さ」と「手に入りやすさ」。
他の断熱材に比べて安価で、ホームセンターでも見かけるほど流通量が豊富です。
② 吸音性が高く静かな室内に
繊維が音を吸収するため、防音性能にも優れています。
子育て世代や楽器を使う家庭など、静かな環境を求める方におすすめです。
③ 自由な形状に加工しやすい
柔らかくて扱いやすく、施工現場ではサイズ調整がしやすい素材。
DIYでも使われるほど、加工性に優れています。
デメリット:
① 湿気に弱く、カビやすい
空気を含むことで断熱性を発揮しますが、湿気を吸ってしまうと一気に性能がダウン。
そのため、防湿シートとの併用や、気密性の高い施工が必要不可欠です。
② 施工の丁寧さが断熱性能を左右する
ちょっとした隙間や圧縮で性能が低下するため、職人の技術に差が出やすい素材でもあります。
特にセルフビルドや未経験者の施工では注意が必要です。
③ チクチクすることがある
繊維が肌に触れるとかゆくなることがあり、施工時には手袋・長袖の着用が推奨されます。
おすすめする人:
- 建築コストを抑えたい方
- 音の反響が気になる部屋をつくりたい方
- 丁寧な施工ができる、信頼できる施工業者がいる方
1-2.ロックウール:
ロックウールは、火山岩などを高温で溶かして作る無機繊維系の断熱材。
その優れた耐火性と吸音性から、特に防火性能を重視する建物に選ばれています。
特徴とメリット:
① 高い耐火性で火災に強い
約1,000℃の高温にも耐えるため、万が一の火災時でも延焼を防ぎやすいのが強みです。
防火地域や準防火地域に建てる住宅にも安心。
② 優れた吸音性
グラスウールと同様に繊維系のため、音を吸収する効果が高く、防音性を求める空間にも向いています。
③ 水に強い(撥水処理)
ロックウールは撥水加工されていることが多く、湿気の多い環境でも劣化しにくい性質があります。
デメリット:
- グラスウールよりやや価格が高め
- やや重量があるため施工性は若干劣ります。
- 繊維がチクチクしやすく、防護対策が必要
おすすめする人:
- 耐火性を重視する家づくりをしたい方
- 騒音を軽減したい都市部の住宅
- 湿気の多い地域でも安心したい方
1-3.発泡ウレタン(現場発泡・ボードタイプ):
発泡ウレタンは、断熱材の中でも高気密・高断熱を実現しやすい素材として注目を集めています。
現場で吹き付ける「現場発泡タイプ」と、工場で成型された「ボードタイプ」の2種類があります。
現場発泡ウレタンの特徴
メリット:
- 隙間なく施工できるため、気密性が非常に高い
- 柱や配線周りも柔軟に対応
- 構造材に密着して一体化することで、結露や熱損失を防ぐ
デメリット:
- 施工費が高め
- 一度吹き付けると再利用や撤去が困難
- 発泡剤に化学物質を使用するため、素材選びに注意が必要(ノンフロンタイプ推奨)
ボードタイプ(硬質ウレタンボード)の特徴
メリット:
- 高断熱性能のまま、扱いやすい板状の断熱材
- 工場製造で品質が安定している
- 屋根・壁・床など多用途に使用可能
デメリット:
- 現場での隙間処理が必要
- 加工性では現場発泡にやや劣る
おすすめする人:
- 高性能住宅(HEAT20やZEH)を目指す方
- 気密性能をとにかく重視したい方
- メンテナンスの少ない断熱材を選びたい方
1-4.セルロースファイバー:
セルロースファイバーは、古新聞などの再生紙を原料にした自然素材系の断熱材。
吹き込み工法で隙間なく充填でき、断熱性・調湿性・防音性に優れています。
特徴とメリット:
① 高い調湿性で結露を防止
紙素材ならではの吸放湿性で、室内の湿度を調整してくれます。
壁内結露を防ぎ、カビや腐朽菌の発生も抑えやすいです。
② 優れた防音性能
細かい繊維が空気の振動を抑えるため、生活音や外部音をしっかりブロック。
③ 環境にやさしい
再生紙が原料で、ホウ酸処理により防火・防虫効果もプラス。エコ住宅派に人気です。
デメリット:
- 施工には専用機材と技術が必要(DIY不可)
- 水を使う湿式施工では乾燥時間が必要
- コストはやや高めだが、性能は高水準
おすすめする人:
- 自然素材やエコ住宅に関心がある方
- 湿気対策を重視したい方
- 音の気になる住宅密集地の方
1-5.フェノールフォーム:
フェノールフォームは、発泡プラスチック系の中でもトップクラスの断熱性能を誇るボード状の断熱材。
薄くても高性能なため、狭小住宅や高性能住宅にぴったりです。
特徴とメリット:
① 抜群の断熱性能(λ=0.020W/m・K)
一般的なグラスウールの約2倍の断熱性能を、同じ厚みで実現できます。
② 優れた耐火性
炭化して燃え広がりにくいため、防火性も◎。耐熱温度は200℃以上。
③ 吸水しにくく安定した性能
防湿・防水性が高く、壁内での経年劣化が少ないのが特徴。
デメリット:
- 価格が高め(特に高性能タイプ)
- 施工時には切断・加工の手間がかかる
- 割れやすいため、取扱いには注意が必要
おすすめする人:
- ZEHやパッシブハウスを検討中の方
- 厚みを抑えても高断熱を実現したい方
- 壁や天井にこだわる高性能住宅を建てたい方
1-6.EPS・XPS(押出法・ビーズ法ポリスチレンフォーム):
床・外断熱に使われます。
EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)と
XPS(押出法ポリスチレンフォーム)は、共に発泡スチロール系の断熱材です。
EPSとXPSの違い
特徴 | EPS | XPS |
---|---|---|
製法 | 発泡ビーズを型に詰めて成形 | 押し出して成形 |
密度 | 低め | 高め |
吸水性 | やや吸水しやすい | 吸水しにくい |
断熱性 | 普通 | 高め |
共通メリット:
- 軽量で扱いやすい
- 経年劣化が少なく、長期にわたる断熱性が安定
- 外断熱工法との相性が抜群
デメリット:
- 耐火性が低く、準不燃材に分類される
- 紫外線や溶剤に弱い(施工時に注意)
- EPSは吸水性があるため、防水対策が必須
おすすめする人:
- 外張り断熱工法を採用したい方
- 軽くて扱いやすい断熱材を探している方
- 長寿命の断熱性能を重視する方
1-7.羊毛断熱材・炭化コルク:
最後に紹介するのは、羊毛(ウール)断熱材と炭化コルクという個性派コンビ。
いずれも自然素材を活かした断熱材で、「心地よさ」と「安全性」にこだわる方にぴったりです。
羊毛断熱材の特徴
メリット:
- 調湿性能が高く、室内の湿度を自然に調整
- 静電気を帯びず、ホコリを寄せつけにくい
- 万が一燃えても、有害ガスが出にくい
デメリット:
- 価格がやや高く、入手性も限定的
- 虫害対策として防虫処理が必要
炭化コルクの特徴
メリット:
- コルク樫の皮を炭化して成形、完全自然素材
- 高い断熱性・吸音性・調湿性を持つ
- 燃えても炭化するだけで有毒ガスが出にくい
デメリット:
- 価格が非常に高め
- 施工できる業者が限られる
おすすめする人:
- 自然素材にこだわりたい方
- 化学物質過敏症など、健康への配慮が必要な方
- 独自性のある家づくりをしたい方
2.断熱材のコスパ比較|価格と性能のバランスがいいのはどれ?
家づくりでは「予算に対して、どれだけ効果があるか?」がとても重要。
断熱材も例外ではありません。
以下の表では、代表的な断熱材7種のコストと性能バランスを比較してみました。
断熱材 | 初期コスト(材料費) | 性能に対するコスパ | 備考 |
---|---|---|---|
グラスウール | ◎ 非常に安い | ◎ コスパ最強 | 施工の丁寧さが必要 |
ロックウール | ○ やや高め | ○ 耐火性も加味すれば良 | 音・火に強い |
発泡ウレタン(現場) | △ 高い | ○ 隙間なしの高性能 | 施工費が高い |
セルロースファイバー | △ 高い | ○ 調湿・吸音も含めると高評価 | 吹込み工法が必要 |
フェノールフォーム | △〜× 高価 | ○ 厚み不要で高断熱 | 高性能住宅向き |
EPS/XPS | ○ 比較的安価 | ◎ 外断熱なら文句なし | 軽量で施工性◎ |
羊毛/炭化コルク | × 高価 | △ 性能は良いがコスパは低 | 自然素材重視向け |
総合評価でコスパが高いのは…
👉 グラスウール・XPS(押出法ポリスチレンフォーム)
3.断熱性能・特徴比較|どれが一番あたたかい?調湿・防音もチェック!
断熱材はただ「熱を遮る」だけじゃなく、調湿性・防音性・耐火性など、さまざまな性能が求められます。
断熱性能だけを見ると…
👉 発泡ウレタン・フェノールフォーム・XPSが強い!
快適性能まで重視するなら…
👉 セルロースファイバー・羊毛・炭化コルクも◎
以下の比較表をご覧ください。
材料名 | 断熱性能 | 調湿性 | 防音性 | 耐火性 | 特徴的なポイント |
---|---|---|---|---|---|
グラスウール | ○ | △ | ◎ | ○ | 安価で標準的な断熱材 |
ロックウール | ○ | △ | ◎ | ◎ | 防火・防音に強い |
発泡ウレタン | ◎ | △ | ○ | △ | 隙間ゼロの気密性能 |
セルロースファイバー | ○ | ◎ | ◎ | ○ | エコ&調湿が得意 |
フェノールフォーム | ◎ | △ | △ | ○ | 薄くても高性能 |
EPS(ビーズ法) | ○ | △ | △ | △ | 軽量で加工しやすい |
XPS(押出法) | ◎ | △ | △ | △ | 外断熱に向く |
羊毛 | ○ | ◎ | ○ | ○ | 自然素材、快適性重視 |
炭化コルク | ○ | ◎ | ○ | ○ | 健康住宅に最適 |
4.地域別おすすめ断熱材|寒冷地・温暖地で選ぶベストな断熱材とは?

断熱材選びで見落とされがちなのが「地域との相性」
日本は南北に長く、気候が大きく異なるため、地域に適した断熱材選びがとても重要です。
【寒冷地(北海道・東北・北陸など)】
特徴:
- 冬の厳しい寒さ
- 高断熱・高気密が必須
- 結露や凍結のリスクが高い
おすすめ断熱材:
材料 | 理由 |
---|---|
発泡ウレタン(現場発泡) | 隙間ゼロの気密性で室温安定 |
フェノールフォーム | 厚みを抑えても高断熱 |
セルロースファイバー | 調湿性で壁内結露対策に◎ |
XPS(押出法) | 床下や基礎断熱にも最適 |
【温暖地(関東・関西・四国・九州など)】
特徴:
- 夏の暑さ・湿気に注意
- コスパと調湿性のバランスが鍵
- 梅雨の結露対策も重要
おすすめ断熱材:
材料 | 理由 |
---|---|
グラスウール | 安価で基本性能も十分 |
セルロースファイバー | 湿度対策・防音にも優れる |
羊毛断熱材 | 調湿性+自然素材で快適な暮らし |
EPS(ビーズ法) | 軽くて扱いやすく、外断熱にも◎ |
【高温多湿地域(沖縄・太平洋側沿岸部)】
特徴:
- 湿気・カビ・台風対策が必要
- 通気性や撥水性を重視
おすすめ断熱材:
材料 | 理由 |
---|---|
ロックウール | 撥水性+防音性で都市部にも対応 |
XPS(押出法) | 吸水しにくく、外断熱向け |
炭化コルク | 自然素材で調湿・耐久力もあり |
地域別まとめ早見表
地域 | ベスト選択 | 補足候補 |
---|---|---|
寒冷地 | 発泡ウレタン・フェノール | セルロース・XPS |
温暖地 | グラスウール・セルロース | 羊毛・EPS |
沿岸/高湿地 | ロックウール・XPS | 炭化コルク |
5. 自宅に採用した断熱材とその理由

- 床:XPS(押出ポリスチレンフォーム)
- 壁・天井:発砲ウレタン(現場)
コスパで選びました。
住んでいる地域が比較的温暖であるため、こちらを採用しました。壁はグラスウールにしようか?天井はロックウールにしようか?悩みました。
結果、発泡ウレタン(現場)を採用。理由は価格的に、わずかなアップで済んだためです。
現場で発砲ウレタンを吹き付けた直後の現場を見ましたが、構造体にウレタンが隙間なくぴったり充填されていました。
効果は体験してます。8月午前中はエアコンなし扇風機のみで過ごせます
。冬はエアコンは朝夕で、昼間はつけなくても大丈夫です。
6. これから断熱材を選ぶ人へのアドバイス
- 断熱性能とコストのバランスを考える(高性能=最適とは限らない)
断熱性能が良いのがもちろんですが、コストとのバランスがとても重要です。
- 地域・気候に合った断熱材を選ぶ(寒冷地と温暖地での違い)
温暖な地域に北海道の断熱仕様にすると、過剰スペックになる場合があります。
- 施工の質が重要!信頼できる業者の選び方
どんな断熱でも、施工業者が大事。信頼できる、実績のある業者を選びましょう。
- ZEH基準や省エネ基準との関係(国の補助金・助成金を活用する)
国の断熱基準は、2025年以降に建築する住宅について「断熱等級4」以上、「一次エネルギー消費量供給4」以上が最低基準となってます。
断熱基準をアップさせる普及目的のため、各種の補助金があります。
大きい額なので、対象になるか住宅会社に確認しましょう。※予算枠、着工時期に注意
7. まとめ:断熱材選びで後悔しないために
断熱材にはそれぞれに特徴があり、コスト・性能・施工性・地域との相性などを考慮することが大切です。
- コスパ重視なら:グラスウール・XPS
- 高性能住宅なら:発泡ウレタン・フェノールフォーム
- 調湿・防音を重視するなら:セルロースファイバー・羊毛・炭化コルク
- 耐火性重視なら:ロックウール
地域やライフスタイル、予算に合わせて最適な断熱材を選び、信頼できる施工業者に依頼することが成功のカギです。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
あなたにとって良い一日を~まめおやじ

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