【実例】元住宅営業マンのリアル体験|家の売却のすすめ方を解説します:売り先行?・買い先行?

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こんにちは。元住宅営業マンまめおやじです。

「今の家を売って、新しい暮らしを始めたい」
そんなときにぶつかるのが、“売ってから買うか”、“買ってから売るか”の問題です。

住み替えは人生の転機。だからこそ、失敗や後悔は避けたいもの。

本記事では、元住宅営業マンの実体験と実際のお客様の声をもとに、「売り先行・買い先行」の違いや、売却理由別の注意点などを分かりやすく解説します。

この記事を読めば、あなたに合った住み替えの進め方がきっと見えてきます。

この記事はこんな人におススメ
  • 今の家を売って住み替えを考えている
  • 売り先行と買い先行、どちらにすべきか迷っている
  • 離婚や相続、ローンの問題など、理由があって売却を検討している
  • 住み替えの実例やリアルなアドバイスを知りたい
  • 不動産業者に相談する前に、基本的な流れや注意点を押さえておきたい

1. 住み替え① 売り先行のパターン

まず「今の家を売ってから新しい家を買う」のが「売り先行」です。

資金計画が立てやすい一方で、仮住まいが必要になるケースもあります。

■メリット

  1. 資金計画が立てやすい
  2. 売却に集中できる
  3. 住宅ローン返済中でも買い替え可能
  4. 仮住まい期間中の家賃負担

■カンタン解説

1.資金計画が立てやすい

今の家を売ってから新しい家を探すので、「手元にいくら残るか」を正確に把握したうえで、次の購入計画を立てることができます。

住宅ローンの借入額も明確にしやすく、無理のない資金計画が可能です。

2.売却に集中できる

焦って買い先行にすると「早く売らなきゃ」と安く売ってしまいがちですが、売り先行ならしっかり時間をかけて売却活動ができます。

3.住宅ローン返済中でも買い替え可能

売却代金で住宅ローンを完済できるため、新居購入の資金も確保できる。

4.仮住まい期間中の家賃負担

売り先行の場合、仮住まいの期間が短くなる可能性もある。

■デメリット

  1. 仮住まいが必要になる可能性
  2. タイミングを合わせるのが難しい
  3. 内覧対応の煩雑さ
  4. 資金的な負担
  5. 売却リスク
  6. ダブルローンのリスク
  7. 税金優遇措置の減少

1.仮住まいが必要になる可能性

売却が決まっても、次の家がまだ見つかっていないと「一時的に賃貸に住む=仮住まい」が必要になります。

引っ越しが2回になるため、コストも労力も増えます。

2.タイミングを合わせるのが難しい

売却と購入のタイミングがうまく合えば理想ですが、実際にはスケジュール調整が難しく、思ったよりも時間がかかることもあります。

3.内覧対応の煩雑さ

住みながら売却活動を行う場合、内覧希望者が訪れるたびに、室内を片付けたり、掃除をしたりと、準備や対応が煩雑になります。

また、内覧のスケジュール調整も必要で、時間が押されることもあります。

4.資金的な負担

仮住まいの費用や、内覧対応の準備、売却活動の費用などが積み重なり、資金的な負担が増える可能性があります。

5.売却リスク

不景気や市場の変動により、売却が難しくなる可能性も考えられます。

売却がうまくいかない場合、空き家状態が続き、固定資産税や都市計画税の支払いが続きます。

6.ダブルローンのリスク

売り先行で、売却が完了する前に新居の購入が決まってしまうと、ダブルローンになる可能性があります。

これは、住宅ローン審査が通らなくなる可能性や、返済負担が大きくなるリスクを伴います。

7.税金優遇措置の減少

売り先行で、新居購入の時期が遅れると、税金の優遇措置を受けられなくなる可能性があります。

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

「資金面の安心感」を優先して売り先行のケースが多かったです。

ただし、仮住まいの手配をしっかり考えておかないと、売れたのに住む場所がないという状況になりかねません。

2. 住み替え② 買い先行のパターン

こちらは「新しい家を買ってから、今の家を売る」というパターンです。

住み替えのスケジュールにゆとりがあり、仮住まいを避けたい人には向いています。

■メリット

  1. じっくり物件を探せる
  2. 仮住まい不要で引っ越しもスムーズ
  3. 内覧の煩わしさがない
  4. 安売りすることになりにくい 

1.じっくり物件を探せる

不動産は1点もの。縁のものともいわれます。本当に良い物件が出てきた時にすぐに購入することができます。

2.仮住まい不要で引っ越しもスムーズ

荷造り・荷ほどきが2回は、相当煩わしく疲れるもの。

3.内覧の煩わしさがない

立ち会う必要がありません。鍵を不動産屋に預けることができます。

4.安売りすることになりにくい 

焦って売却する必要がないので、こちらの希望額を下回ったら断ることができます。

■デメリット

  1. 資金繰りが難しい(住宅ローンが二重になる可能性)
  2. 売却金額が確定しないため、資金計画が立てにくい
  3. 家が売れないリスクがある
  4. 売却額が読めないまま買うことになる

1.資金繰りが難しい(住宅ローンが二重になる可能性)

今の家のローンと新居のローンが二重になり、返済額がダブルになることも。

また、二重ローンは審査が厳しく、希望額が減額されることもあります。

2.売却金額が確定しないため、資金計画が立てにくい

売却金額が確定する前に新居に引っ越します。

売却価格が大きく下回ってしまうと、今後の資金計画が苦しいものになる場合も。

3.家が売れないリスクがある

経済状況等の悪化により、売れずに空き家状態が長引き、税金だけ払い続けることも。

4.売却額が読めないまま買うことになる

上記のリスクを抱えた状態での購入のため、勇気がいります。

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

資金に余裕がある方や、ローンの審査が問題ない方には向いていますが、「少しでも無理のない計画を立てたい」なら売り先行のほうが安心だと感じます。

3. 結局どっちがいい?売り先行 vs 買い先行

■カンタン解説

どちらが良いかは、「資金計画の優先」か「住み替えスムーズさの優先」かで変わります。

優先したいこと向いているパターン
お金の不安を減らしたい売り先行
仮住まいを避けたい買い先行
じっくり新居を探したい買い先行
ローン審査に不安がある売り先行
項 目売り先行買い先行
資金計画安定しやすい不安定になりがち
仮住まい必要な場合あり基本的に不要
スケジュール売却後に動きやすい調整が難しい場合も
希望の住まい妥協が出やすい納得の物件を選べる

正直なところ、「どちらが正解か」は人によって異なります。

私のお客さまでも、売り先行を選んだ方の多くは「思ったよりも買い先を急がずに済んだ」「お金の不安が少なかった」と満足されていました。

一方で買い先行を選んだ方は「引っ越しが1回で済んで助かった」とおっしゃっていました。

どちらが良いかは、資金状況・家族構成・仕事や学区などの条件によって異なります。

大切なのは「自分たちにとって何を優先するか」を明確にすることです。

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

予算重視なら売り先行、住まいの希望重視なら買い先行が基本の判断軸です。

経験上、売り先行で「思ったより売れなくて焦る」人、買い先行で「売れずにローンが二重に…」というケース、どちらもあります。

4. どんな人がどちらに向いている?

■売り先行が向いている人

  • 資金計画を重視したい人
  • 住宅ローン残債が多い人
  • 時間をかけてじっくり売却したい人
  • 仮住まいが可能な人
  • 空き家での売却を希望する人
  • 住宅ローンが組めない人
  • ダブルローンを避けたい人
  • 新居の購入資金が不足している人

■買い先行が向いている人

  • 資金に余裕がある
  • じっくりと新居探しをしたい
  • 仮住まいをしたくない
  • 物件の条件が良い
  • 内覧対応や売却の手間を避けたい

5. 【売却理由別】どう進める?売り先行・買い先行

住み替えの進め方は、「なぜ家を売るのか?」という理由によっても最適な順序が変わります。

■田舎に帰る(Uターン)

  • 基本は売り先行がおすすめ。実家に一時的に住める場合が多いため、仮住まい費用が不要なケースもあります。
  • 先に売却で資金を確定 → 移住先の家は現地でゆっくり探す流れが安心。

■離婚

  • 事情によりますが、売り先行が多め。
  • 財産分与が絡むため、家の売却価格が確定してからの方が手続きしやすいです。

■ローンが返せない

  • 迷わず売り先行です。
  • 滞納が長引くと任意売却や競売に発展するため、早めの売却活動を。

■相続で家を手放す

  • 状況次第ですが売り先行が一般的。
  • 相続登記などの手続きと並行して売却準備を進めやすく、税制面でも早い方が有利なこともあります。

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

売却理由によって、取るべき戦略はかなり変わります。

特に「住宅ローンの残債がある」「相続で複数人の共有名義になっている」などの場合は、慎重な段取りが必要です。

不動産会社に相談する際も、「なぜ売るのか」を正直に話すことで、的確なアドバイスがもらえるのでご安心ください。

6. 共有名義の場合の売却

■結論:所有者全員の同意がないと売却できない

家が共有名義の場合、名義人全員の「売却への同意」が必須です。

一人でも反対すれば、勝手に売ることはできません。

■カンタン解説

共有名義は、夫婦や親子、兄弟姉妹でよく見られるケース。

不動産登記簿に記載されている「持ち分割合」に応じて所有権があります。

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

離婚後は、意見が食い違って売却がスムーズに進まないことも。

事前に話し合いの場を設け、買取りなどの選択肢も検討しましょう。

相続の場合も、早めに遺産分割協議を済ませておくと安心です。

7. 売却してローンが残る場合

■ポイント

  • 不足分は現金で補う必要がある
  • 住み替えローンを活用する方法もある
  • 金融機関の承諾がないと抵当権の抹消はできない

■カンタン解説

売却代金だけではローンを完済できないとき、不足分を一括で返すか、「住み替えローン」などで新居とまとめて借り入れる方法があります。

金融機関との事前相談が重要です。

また、金融機関が抵当権(担保)を外してくれないと売却自体ができません。

スケジュールと資金計画は慎重に立てましょう。

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

ローンが残るケースは結構ありましたね。フルローンで家を建てて離婚となると、結構大変です…

8. 売らずに賃貸に出す方法も

■カンタン解説

売却せずに「賃貸物件」として貸し出す方法もあります。家賃収入をローン返済に充てることで、資産を手放さずに済みます。

■こんな人に向いている

・売却価格が安く、損になりそうな人
・将来的に戻る予定がある人
・ローン返済を家賃でまかないたい人

ただし、空室リスクや原状回復費用、管理の手間などもあるため、賃貸経営の知識が必要です。

費用はかかりますが、管理会社に任せる選択肢もあります。

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

売る・貸すの判断は「資産価値が落ちにくいエリアかどうか」がカギです。

駅近や需要のある地域なら、賃貸の方がトクになる場合もあります。

複数の選択肢を検討し、損しない判断をしたいですね。

9. リースバックとは?

■仕組み

  • リースバック会社に自宅を売却し、現金を受け取ります。
  • 同時に、売却した自宅をリースバック会社から賃貸借契約を結び、家賃を支払って住み続けます。
  • 引越しをすることなく、住み慣れた自宅に住み続けることができます。

■こんな人に向いている

・今の家に住み続けたいけれど現金が必要な人
・住み替え時期を自分で調整したい人
・老後の生活資金に不安がある人

■カンタン解説

家賃が相場より高めになりやすい点や、契約期間に制限がある場合がある点に注意。あくまで“最終手段”として考える方も少なくありません。

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

「現金が必要。でも住み慣れた家を離れたくない」という心理にフィットします。

ただし、買取は安く買い叩かれるケースもあるので、複数の業者に見積もりをとるのが鉄則です。

10. リバースモーゲージとは?

■カンタン解説

リバースモーゲージとは、自宅を担保に、契約者が生存している間は毎月利息のみを支払い、契約者が亡くなった際に、自宅を売却して元金を返済するローンです。

通常の住宅ローンとは逆(リバース)に、借入残高が増えていくのが特徴です。

■リースバックとの違いは?

大きな違いは不動産の所有権の移転の有無です。リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けるため、所有権はそのまま住み手(借主)に残ります。

一方、リースバックは、自宅を売却して資金を得るため、所有権は買主に移転し、賃貸契約で住み続ける形になります。

項目リバースモーゲージリースバック
仕組み担保融資売却後の賃貸
所有権借主買主
資金借入金売却代金
審査金融機関による審査リースバック会社による審査
対象者高齢者資金調達ニーズがある人

■元住宅営業マンのひとこと

まめおやじ
まめおやじ

正直、どちらも経験がないので、なんとも言えません。割と新しい制度ですね。

11. 実例紹介

筆者が現役時代に実際に経験した事例をご紹介します。

■事例紹介① 

30代夫婦が住み替えを検討し、売り先行を選択。1年かかり、希望金額を下回って売却してローン完済。

同じ団地内で土地を購入して建築。住替前と比較すると、工務店の家築5年30坪→大手ハウスメーカー新築35坪へ。

返済額は金利が約2%下がったため、返済額は少し安くなった。

■事例紹介② 

40代二世帯住宅の住替え。

早期に売却できたが、お母様が高齢で仮住まいの懸念が。不動産会社の担当者の仲介で所有者(=購入者)との間で賃貸契約を結び新居の完成まで、住み続けられることに。

たまたま、購入者が入居を急いでなかったために実現できた。

12. まとめ

住み替えを考えるとき、売り先行・買い先行の選択だけでなく、売却理由・家族構成・ローンの状況など多くの要素を検討する必要があります。

特に「売却してローンが残る」「名義が共有になっている」など、専門的な知識が求められる場面では、早めの相談と準備がカギになります。

不動産は人生の中でも大きな資産。だからこそ焦らず、冷静に。そして正しい判断ができるよう、信頼できる専門家の意見を取り入れながら進めていきましょう。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

貴方にとって良い一日を~まめおやじ

この記事を書いた人
まめおやじ

元住宅営業マンが、業界在籍34年の経験を活かし、これから家を考えている人に役立つ情報を発信するブログ。

自宅:木造平屋(2019年築)受賞歴あり
経歴:大手木質系プレハブ会社
   大手鉄骨系プレハブ会社
   木造在来工法ビルダー
資格:宅建士
   ファイナンシャル
   プランナー

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