こんにちは。元住宅営業マンまめおやじです。
新築住宅の引き渡し前に行われる「施主検査(内覧)」
この検査、実は一生に一度あるかないかの大事なチェックの場だということをご存じですか?
図面通りに施工されているか、傷や不具合がないかを確認するための施主検査ですが、慣れていないと「どこを見ればいいの?」「何を準備すればいいの?」と戸惑う方も多いはず。
本記事では、元住宅営業マンとして数多くの施主検査に立ち会ってきた経験をもとに、施主検査のポイントや注意点、実際に起きたトラブル事例まで、リアルにお伝えします。
- 初めての施主検査で何をチェックすればよいか不安な方
- 引渡し前に後悔したくない!と思っている方
- チェックポイントや持ち物を事前にリストで把握しておきたい方
- 実際の施主検査でよくあるトラブルを知っておきたい方
- 元住宅営業マンのプロ目線のアドバイスを聞きたい方


1. 施主検査とは?

家がほぼ完成した段階で、お客様自身が建物の状態を確認するのが「施主検査」
引き渡し前の最終チェックともいえる重要な工程です。
■ カンタン解説
施主検査は、通常「引き渡しの1週間前~数日前」に行われます。
現場で家の中をくまなく見て、以下のようなポイントをチェックします。
- キズや汚れがないか
- ドアや窓の開閉はスムーズか
- コンセントの位置は間違っていないか
- 設備(キッチン・トイレ・照明など)は注文したものが取りつけられ、きちんと動作するか
この検査で不備が見つかった場合は、引き渡し前に直してもらえるケースが多いので、遠慮せずに指摘しましょう。
■ 元住宅営業マンのひとこと

施主検査は「お客様の権利」です。
入居してから言われるより、むしろしっかり見てくれる方が業者側としても助かります。
私が営業していたときも、「細かく見てくれるお客様=真剣に家づくりに向き合っている」と感じていました。
気になることがあれば、どんどんメモを取りながらチェックしてOKですよ。
2. 施主検査の流れ
初めての方でも流れを知っておけば安心。ここでは、一般的な施主検査の流れを紹介します。
■ 一般的な流れ
- 住宅会社の担当者と現地集合
- 家の外まわりをチェック(外壁・外構など)
- 室内を1部屋ずつ見ていく(床・壁・建具など)
- 設備の使い方や注意点の説明を受ける
- 気になった箇所を指摘
- 引渡し日や修理対応のスケジュール確認
■ カンタン解説
検査当日は、まず担当者と一緒に現地で集合し、家の外回りから見ていきます。
外壁にキズがないか、雨樋がしっかりついているかなどを確認します。
その後、家の中へ入り、リビング・キッチン・各部屋・水まわりと順番に確認していきます。
「キズや汚れ」「建具の開閉」「床のゆがみ」など、目についたところはすべて遠慮なく伝えましょう。
あわせて、設備(エコキュートや食洗器、照明、コンセントなど)の使い方も説明されます。
このタイミングで質問もできるので、不安なことはメモしておくのがおすすめです。
最後に、引渡し日までに修理する箇所をリストアップし、スケジュールを確認して完了となります。
■ 元住宅営業マンのひとこと

ビー玉を持参する方がいますが,TVで欠陥住宅とか流れてますから、心配になりますよね。
検査の時間は、平均で1時間半~2時間ほど。
少し慌ただしく感じるかもしれませんが、事前にチェックしたいポイントをメモしておくと、効率よく確認できます。
3. 準備するもの
施主検査をスムーズに、そして確実に行うためには、事前の準備が大切です。
当日は時間が限られているので、必要な資料や道具をそろえておくことで、見落としを防げます。
■ 準備しておくと安心なもの
- 最終の設備ボード
- 照明器具ボード
- クロスボード(壁紙の品番・貼り分けの確認用)
- 電気図面(スイッチ・コンセント配置の最終図面)
- ビー玉(床の傾きチェック用)※任意
- メジャー(家具配置やスペース確認用)
- 双眼鏡(高所のキズ・仕上がり確認用)
■ カンタン解説
クロスボードや照明器具ボードも、貼り分けや設置ミスの確認に役立ちます。
そして実用的な小道具としては、ビー玉やメジャー。
ビー玉は床に転がして水平かどうかを見るために使えます。
メジャーは「この家具、置けるかな?」というスペース確認に便利です。
双眼鏡は、吹き抜けや高所の照明・壁の仕上がりを遠くから確認したいときに活躍します。
意外と「高い位置のキズに気づけなかった」という声も多いので、あると安心です。
■ 元住宅営業マンのひとこと

TV位置は設計段階で打合せしてますが、クロスを貼った状態で見るのとは全然違います。
メジャーは持参しましょう。
実際に住んだときのことをイメージして確認するのがポイントです。
4. 施主検査で注意すること

ここでの見落としが、住んだあとに後悔につながることも。
よくあるチェックポイントを押さえておきましょう。
■ 注意すべきポイント
- 外壁の仕上がり(汚れ・傷・コーキング)
- 床や壁、建具のキズや汚れ
- 各部屋の仕上がり(クロスの浮き・貼り分けミス)
- ドアや窓の開け閉め(建付け確認)
- キッチン・トイレ・浴室などの設備チェック
- サッシやガラスのキズ、歪み、汚れ
- 照明・コンセントの位置が合っているか
- 外まわりにゴミや釘などの残りがないか
■ カンタン解説
まずは外壁。キズや仕上がりのムラ、塗装の剥がれなどがないか、ぐるりと一周見てみましょう。
雨樋やエアコン配管の取付位置も、想定通りになっているかチェックしておくと安心です。
室内では、床や壁、建具に「キズ・汚れ」がないかを重点的に。
クロスが浮いていたり、貼り分けが違っていたりすることもあるので、細かい部分もよく見ましょう。
ドアや窓がスムーズに開け閉めできるかどうか(=建付け)も大事なチェックポイントです。
意外と見落としがちなのが「サッシのキズ」や「ガラスの歪み」。
光の加減で見えにくいので、明るい時間帯に行うのがベストです。
照明やコンセントの位置も、打ち合わせ通りかどうかを図面と照らし合わせて確認してください。
たとえば「ベッドの横にコンセントがない!」って以外にあるんです。
エアコンを取り付け方向は合ってますか?
間違っていると風が直接あたる場合があります。
最後に、外構や庭に釘や工具などが残っていないかも確認しましょう。
小さなお子さんがいるご家庭では特に要注意です。
キズについてのみ言えば、大人数で見ることが大事。
沢山の目で見た方が、細かなキズは発見できます。事前に担当者に相談しましょう。
■ 元住宅営業マンのひとこと

施主検査では、「遠慮せずにとりあえず言ってみる」ことが本当に大事です。
「これくらい大丈夫かな…?」と感じたことでも、あとで気になってモヤモヤすること、実は多いんです。
大事なのは「家を良くするための指摘」。
施工会社もそのために施主検査を設けているので、気になることはどんどん伝えてくださいね。
5. 施主検査がOKの場合

施主検査で大きな不具合が見つからなかった場合は、いよいよ引渡しが目前です。
とはいえ、検査後にもいくつかやるべき手続きがあるので、流れをしっかり押さえておきましょう。
■ OKだったときの流れ
- 最終金の振込
- 引渡し日の設定・確認
- 鍵の受け取り
- 各種保証書・取扱説明書の受け取り
■ カンタン解説
不具合がなく「問題なし」となった場合、まずやることは最終金の支払いです。
住宅ローンを使う方は、金融機関との手続きや送金日を確認しておきましょう。
その後、引渡し日を正式に設定します。通常は施主検査から1週間前後で行われることが多いです。
引渡し当日は、施工会社から家の鍵を受け取り、キッチンや給湯器、床暖房などの設備の取り扱い説明を受けます。
説明書や保証書もこの日に渡されるので、必ず一式を受け取って保管してください。
この時点で、マイホームは「完全にあなたのもの」になります。
■ 元住宅営業マンのひとこと

また、最終金の支払いは引渡しの条件なので、金融機関との連携ミスがないよう事前確認は忘れずに。
ここまで来たら、引渡し当日は笑顔で迎えたいですね!
住み始めてから気づく小さな不具合や、使い方がわからない設備など、引渡し後の対応も意外と多いんです。
そのため、引渡しの際は必ず「アフター窓口」や「緊急連絡先」も確認しておくと安心です。
6. 施主検査で不具合が有り(軽微)な場合

施主検査では、どんなに丁寧に仕上げられた家でも「ちょっとした不具合」が見つかることはよくあります。
ここで大事なのは「軽微な不具合」と判断できる内容かどうか、そして引渡しまでに直るかどうかです。
■ よくある軽微な不具合
- 床や壁の軽い汚れや傷
- クロス(壁紙)の糊のはみ出し
- コンセントやスイッチの位置の軽微なズレ
- サッシの一部に軽微な調整が必要
- 扉の閉まり具合の調整程度
■ 結論:引渡し日までに修理可能なら、確認して引渡しへ
軽微な不具合であれば、多くの場合引渡し日までに補修対応可能です。
この場合、施工会社と一緒に「補修内容をその場でメモに残す」「引渡し日までに完了予定」と明記しておくと安心です。
当日までにしっかり直されているか、引渡し時にもう一度確認しましょう。
不安な場合は、再検査をお願いすることもできます。
■ カンタン解説
軽微な不具合とは、「家の機能に大きな影響がない」「住み始めるまでに直せる」レベルのものを指します。
たとえば、クロスの糊が少し見えている、床に軽い汚れがある、といったケースです。
大事なのは、口頭だけで終わらせないこと。
「この部分は補修しておきますね」と言われたら、チェックリストや検査記録に必ず書いてもらうようにしましょう。
■ 元住宅営業マンのひとこと

お客様によく言っていたのは、「軽微でも必ず書面で残しておきましょう」ということ。
営業担当や監督が忘れてしまったり、引渡し前に別の担当者に変わることもあるからです。
あと、「ちょっと言いづらいな…」という気持ちは一切不要です。
施主検査は「遠慮しないのが正解」。気になる部分は、どんなに小さなことでも伝えてOKです。
軽微な不具合であれば、しっかり対応してもらえるので安心してくださいね。
7. 施主検査で不具合が有り(大きな)場合

施主検査で、見逃せないような「重大な不具合」が見つかることも稀にあります。
そんなときは、慌てず冷静に対応策を相談することが大切です。
■ よくある大きな不具合
- 外壁の一部に施工ミスや未完成部分(足場が必要な修理)
- 重要な設備(キッチン・トイレなど)が違うものが設置
- 建具や窓サッシの大きなゆがみや開閉不良
- 断熱材や防水処理の施工漏れが判明
- 棚の高さ違い・設備位置の大きなズレ
■ 結論①:引渡し日をずらして対応する
このような不具合がある場合、もっとも確実なのは引渡し日を延期することです。
家の完成を最優先し、不具合の完全修理を終えた後に引き渡してもらう方法です。
施工会社と話し合いのうえ、再検査日と新たな引渡し日を設定しておきましょう。
スケジュールがタイトな場合でも「住んでから直す」は避けるべきです。
■ 結論②:書面で修理を約束し、予定通り引渡しを受ける
一部の不具合が「住むうえで大きな支障がない」「足場を外した後でも修理できる」など、条件付きで許容できる場合もあります。
このときは、書面で「補修内容・時期・担当者」を明記した確認書を交わすことで、予定通りの引渡しが可能になります。
書面には、会社の押印(担当者)と日付、署名も忘れずにもらってください。
■結論③:修理が大がかりになる場合は、修理以外の方法も選択肢
実例①:フローリングはナチュラル系を選んだのに、一番濃いものが貼られていた。
→床を張り替えることは施主は嫌がったので、貼り換え工事代金相当の金額でエアコンを2台サービス
実例②:階段の色を間違えた
→階段を外してつけなおすと大がかりになるため、施主と話し合いでやり替え費用+工期の遅れによるアパート代1か月分相当額をエアコンや外構え費用の一部をサービスに変更
■ カンタン解説
大きな不具合が見つかると、誰でも不安になります。
工事請負契約は注文どおりのものを引渡す約束ですが、大規模な補修が発生する場合、他の方法で対応するというのも選択肢のひとつです。
施主(あなた)の意向で住宅会社が応じてくれる場合があります。
工事の遅れや補修が必要な場合は、納得いくまで粘り強く交渉して問題ありません。
■ 元住宅営業マンのひとこと

いちばんダメなのは、「まぁこのままで…」とあいまいに済ませてしまうこと。
もしくは、感情的になり、法外な金額を請求することはNG。
不具合が大きい場合は修理方法について詳細な説明をうけ、その内容によって判断することをおススメします。
8. まとめ

結論:|施主検査は「遠慮せず、納得するまで」が基本!
新築住宅の完成間近に行われる「施主検査」は、これから長く暮らす家に不具合がないかを確認する大切なステップです。
検査には、社内検査・施主検査・完了検査といった種類があり、それぞれ目的が違いますが、施主検査は「お客様目線での最終チェック」になります。
■この記事でお伝えしたポイント
- 施主検査では遠慮せず、気になる点はすべて伝えましょう。
- 軽微な不具合は引渡し前に直してもらえるのが一般的です。
- 重大な不具合は、引渡し延期や書面での対応確認が必要です。
- 検査当日は、準備物や図面を手元にそろえて臨むのがコツ。
はじめての家づくりは、分からないことだらけで不安も多いですが、「施主検査」は安心して住み始めるための最終関門です。
このタイミングでの確認をおろそかにすると、後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔することにもなりかねません。
検査はプロだけのものではなく、施主であるあなたの大切な権利です。
遠慮せず、納得いくまでしっかりチェックして、安心して引渡しを迎えましょう!
ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ


コメント