こんにちは。まめおやじです。
「住宅の契約をしたけど、本当にこのままでいいのかな?」と不安に感じていませんか?
住宅契約の解約は、心理的にも大きな負担を伴いますが、正しく判断すれば大きな損失を回避できることもあります。
本記事では、元住宅営業マンの実体験と知識をもとに、住宅契約の解約について丁寧に解説していきます。
- これから家を建てる人
- 契約後の不安な人
- 解約を検討している人
- 契約後に金額が大幅にアップした人


1. 解約になる理由
さまざまな理由で解約になります。よくある解約理由をまとめてみました。
- 住宅会社とのトラブル
- 家族構成の変化(離婚・親との同居等)
- 土地の問題(地盤・隣地トラブルなど)
- 転勤などのライフスタイルの変化
- ローン審査が通らなかった
- 親からの強い反対
契約後に思いがけない問題が発生することは珍しくありません。
ひとつひとつご紹介してきます。
1.住宅会社とのトラブル
- 見積に入っていると思っていたものが入っていなくて、納得できず解約
- 地盤改良費の見積があまりにも高額になり、納得できず解約
- 契約後に担当営業の対応が雑になり、不信感がつのり解約
2.家族構成の変化
- 予算いっぱいで契約した後、妊娠が発覚。将来不安で解約。
- 契約後、急に同居の話が出てきて、家族間でもめて解約
3.土地の問題
- 地震で土地が変形し、予定した建物が配置できなくなり解約
4.転勤
- 契約後、突然の転勤の内示があり、解約
5.ローン審査が通らなかった
- 奥様も正社員で仕事をしていたが、所得合算はしないため解約。
- フラット35の審査は通りそうなのに、返済額を増えるので申込せず解約
6.親からの強い反対
- 親からの援助がなかったので、契約前に親に相談せずに調印。事後で報告したら、大反対で解約
- 親からの援助があったので、相談しながら慎重に進めていたが、金額が親の思っている金額をはるかにオーバーしたため、解約
▼元住宅営業マンのひとこと

「解約=悪」ではありません。
状況によっては、早めに見切りをつけることが“賢い選択”になります。
2. 解約を検討する前にすべきこと
解約を検討する前にやるべきことはあります。
- 契約書の内容を再確認する
- 第三者(住宅コンサルタント、建築士など)に相談
- 住宅会社と冷静に再交渉する
1.契約書に記載されているペナルティや返金ルールを把握した上で、冷静に判断しましょう。
2.ひとりで悩まずに第三者に相談しましょう。「消費者ホットライン188」等活用しましょう。
3.「何が不安なのか」を明確にすることが大切です。感情的にならず冷静に対応しましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

「感情で動かず、事実を整理する」ことが後悔を減らすコツです。
★「消費者ホットライン188」というのもあります。
3. 解約になった筆者の事例紹介
ローン審査が通らず解約
アパートを建てるお客様。ローンが難しい事を説明し、契約。その後ローン審査がなかなか下りず解約。
印紙代以外は全額返金。印紙代は説明してあったのでもめませんでした。
契約後他社の攻勢により解約
契約後に他社の好条件提示にあい、解約。
全額返金を拒んだが、消費者センターから会社に何度も連絡がはいり、最終的に半額返金。
契約後、家の打合せで夫婦でもめだし、離婚の方向へ。
家は解約、買った土地は売りに。
家の契約金は、打合せが1回しかしていなかったため、会社と相談して、一部返金に。
▼元住宅営業マンのひとこと

私は少ない方でしたが、家庭がらみが多かったですね。
★「解約」についてはこちらの記事もご覧ください。
★「遠方で建てる場合のトラブル」の記事はこちら
4. 解約のメリット(顧客側)
◆メリット
- 契約内容の見直しや条件修正ができる
- 他の住宅会社と比較検討できる
- 希望に合わない建築から脱却できる
◆解説
一度立ち止まって考えることで、「本当に自分たちに合った家づくり」が見えてくる場合もあります。
安いと思って契約したのに、契約後ドンドン金額があがっていくと、「結局安くなかったのでは」と疑ってしまうことも。
▼元住宅営業マンのひとこと

契約後でも方向転換は可能です。引き返すなら早い方がいいですよ。
5. 解約のデメリット(顧客側)
◆デメリット
- 精神的・心理的ストレス
- 工期や家づくりスケジュールが遅れる
- 解約時期によっては返金されない事も
- 住宅会社との関係悪化
◆解説
特に「全額返金されると思っていたのに、一部しか戻らなかった」というケースは非常に多いです。
覚書や設計申込書も契約の一部として扱われることがあるため注意が必要です。
基本は全額戻ってこないと思った方が、よいでしょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

解約には“痛み”が伴うこともあります
それ以上に「間違った選択」を続けるリスクも忘れてはいけません。
6. 全額返金される?
◆ポイント
- 理由によって返金額が変わる
- タイミングによっては全額返金不可
- 手付金・申込金・設計料などの扱いに注意
◆解説
1.理由によって返金額が変わる
- 融資不可:印紙代以外返金※打合せの状況により実費
- 転 勤:印紙代以外打合せの状況により実費
- 土 地:印紙代以外不動産売買契約書に基づき、手付金の返還
- クーリングオフ:印紙代以外返金
★「クーリングオフ」については、こちらをご覧ください。出典:SUUMO
2.タイミングによっては全額返金不可
- 契約後の打合せ後:全額返金不可(実費請求)
- 設 計と打合せ後:全額返金不可(実費請求)
- 設計 図面確定後:全額返金不可(実費請求)
- 確認申請 提出後:全額返金不可(実費請求)
- いづれの場合でも印紙代は原則返金不可
3.手付金・申込金・設計料などの扱いに注意
- 申込金:返金あり※会社による
- 手付金:返金あり(不動産売買契約の解除条項による)
- 設計料:本契約に締結前なら返金あり
- 契約金:返金あり
- 印紙代:返金不可※いづれの場合でも原則返金不可
◆解説
あくまで契約行為の解約です。基本は全額戻ってきません。
筆者も何度も解約交渉を対応しましたが、戻ってくる金額でもめるケースが大変多いです。
交渉においては双方録音をおススメします。
まとまらない場合は、第三者(弁護士等)によって解決するしかありませんが、費用もかかりますので、お互い得策ではありません。
返金額が決まったら、あとは書面のやりとりや振込作業となります。
「言った言わない」のトラブルを防ぐためにも、やり取りは文書・メール等で残しましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

解約交渉現場はものすごい雰囲気でした。お金がからむと怖いですね。
お金が返金されるかどうかは、それぞれの契約内容によります。返金されない旨が書面で説明し、双方が理解していれば返金されないケースが多いです。
返金トラブルは最も多い相談の一つです。事前確認を怠らず、「返ってくる前提」で考えないことが重要です。
7. 解約の手続き
◆手続き内容
- かかった費用の明細確認(打合せの時間・実費・設計費・申込金など)
- 解約合意書の取り交わし
- 返金手続き(振込先や書類の提出)
▼元住宅営業マンのひとこと

経験上、内容によっては、会社判断で返金するケースはありました。
相手もプロです。書類のやり取りは丁寧かつ慎重に。焦りは禁物です。
8. 解約以外の方法はあるのか?
◆代替案
- 契約前に疑問点を徹底確認する
- 担当者を変更してもらう
- 専門家(弁護士や住宅相談員)に相談する
◆解説
「もう無理」と思っていても、担当者を変えただけで問題が解決するケースもあります。
一人で抱え込まず、外部の力を借りましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

担当変更は勇気がいりますが、筆者はこれをおススメします。
筆者も過去に営業だけでなく、設計の「担当変更」でその後、スムーズにいったことが何度もあります。
遠慮せず相談してみましょう。担当と契約したわけではないのです。
会社と契約したのですから。
9. 住宅会社側からみた解約
◆会社の視点
- 返金したくない
- スムーズに終わらせたい
- クレーム化を避けたい(口コミ・書込み・悪評)
◆営業マンの視点
- 評価(査定)に影響するため、早く処理したい
- 案件を無理に進めてしまう営業もいる
- モチベーション低下に繋がる場合も
▼元住宅営業マンのひとこと

原因が明らかに会社側にある場合は、早期に解約すべき。
顧客側に原因がある場合でも、後々トラブルの原因になるので、やはり解約すべき。
ケチがついたら解約した方がお互いよいでしょう。
10. 解約後にやるべきこと
◆行動リスト
- 新たな住宅会社の選定・比較
- 資金計画の再確認
- 家づくりの方向性を明確にする
◆解説
解約は“やり直し”ではなく、“再スタート”です。
時間やお金を無駄にしないためにも、失敗を糧に次の一歩を踏み出しましょう。
特に資金計画は一番重要。予算をいくらまでにするかを再確認しましょう。
▼元住宅営業マンのひとこと

実際は解約する意思が固まった時点で動いている顧客が多かったです。
住宅紹介会社を利用する選択肢もあります。
★「住宅紹介会社」に関する記事はこちら
「今度こそ後悔しない家づくりを」。
その気持ちがあれば、きっと理想の住まいに出会えます。
★「営業マン選び」に関する記事はこちらへ
11. まとめ
- 解約は勇気のいる決断ですが、後悔を防ぐための一手でもあります。
- 契約内容や返金ルールをしっかり理解し、冷静に判断することが大切です。
- 可能であれば、担当変更という選択しもあります。
- 解約は“失敗”ではなく、“学びと再出発のチャンス”です。
顧客は、住宅営業マンの好条件提示に釣られず、しっかり打合せをして納得してから契約をしましょう。
住宅営業マンは、個人成績や会社のプレッシャーに負けず、契約に顧客と十分確認する作業をしましょう。
お互いのためです。
解約になったら仕方がありません。
人と人がやることですから。理想のマイホームづくりに前進していきましょう。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
貴方にとって良い一日を~まめおやじ


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