元住宅営業マンが語る|新築住宅の換気、甘く見ると後悔します:断熱との正しいバランスとは?

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こんにちは。元住宅営業マンまめおやじです。

新築住宅における換気の話。

間取りや金額ばかりに目が行って、換気についておろそかにしていませんか?

本記事では、元住宅営業マンの体験を元に、換気の重要性、断熱との関係について解説していきます。

この記事はこんな人におススメ
  • これから家を建てる人
  • 花粉症の人
  • 空気に敏感な人

結 論

高断熱の家ほど、換気設計が重要!「気密性が高い=空気がこもる」ため、計画的な換気を怠ると、結露・カビ・体調不良などにつながることも。断熱と換気はセットで考えよう。

理 由

  • 「断熱ばかり重視して換気がおざなり」な家が意外と多い
  • 高気密・高断熱になるほど“自然には空気が入れ替わらない”
  • 結露・ダニ・アレルギーの原因になることも
  • 長持ちする家・快適な暮らしには“断熱+換気のバランス”がカギ

1.断熱と換気、なぜセットで考えるべき?

  1. 高断熱の家は「空気が逃げない=空気がこもる」
  2. シックハウスや結露のリスク
  3. “息苦しい家”にならないために

1.高断熱の家は「空気が逃げない=空気がこもる」

高断熱の家は、空気が逃げにくいため、空気の循環が悪くなり、室内の空気がこもりやすい傾向があります。

これは、高気密の住宅と組み合わせることでより顕著になり、結露やカビの発生、シックハウス症候群のリスクを高める可能性があります.

2.シックハウスや結露のリスク

シックハウス症候群は、住宅建材や家具などから放出される化学物質によって引き起こされる健康問題で、アレルギーや喘息などの症状を引き起こす可能性があります。

一方、結露は、室内の湿度と温度差によって発生し、カビやダニの繁殖を促進し、住宅の構造や耐久性を損なうリスクがあります。

3.“息苦しい家”にならないために

十分な換気と空気の循環を確保することが重要です。

  • 窓を開けて換気
  • 換気扇や24時間換気システム
  • 扇風機やサーキュレーター

これらを活用して、空気の流れを作ることで、室内の空気を入れ替え、二酸化炭素濃度を下げ、快適な空間を作ることが重要です。

2.新築住宅の換気の基本|どんな種類がある?

出典:近鉄不動産より
  1. 第一種換気・第二種換気・第三種換気の違い
  2. 一般的に選ばれるのは第三種換気
  3. 第一種換気は費用が高いが快適性も高い

1.第一種換気・第二種換気・第三種換気の違い

第一種、第二種、第三種と3つのタイプがあり、それぞれ給気と排気の方式が異なります。

  • 第一種:給排気を機械で行う
  • 第二種:給気を機械で、排気を自然で行う
  • 第三種:給気を自然で、排気を機械で行う

2.一般的に選ばれるのは第三種換気

導入コストが安く、メンテナンスが簡単なため、一般的です。

3.第一種換気は費用が高いが快適性も高い

導入コスト、ランニングコストが高いが、高気密住宅でも安定した換気ができます。

フィルターで花粉もブロックしてくれますし、PM2.5対応のものもあります。

3.気密・断熱性と換気効率の関係とは?

  1. C値(気密性能)と換気の効率
  2. 断熱材の性能と温度差による結露対策
  3. 24時間換気を「きちんと機能させる」工夫が必要

最近の新築住宅では「高断熱・高気密」が当たり前になりつつあります。

ですが、ここで意外と見落とされがちなのが「換気」とのバランス。

せっかく断熱性能を高めても、換気がきちんとできていないと、家の中の空気はどんどん悪くなってしまいます。

3-1.C値(気密性能)と換気の効率

「C値(しーち)」という言葉を聞いたことはありますか?

これは住宅の“すき間の少なさ”を表す数値で、数字が小さいほど気密性能が高い、つまり「すき間が少ない家」ということです。

実はこのC値が良くないと、せっかく換気システムを導入しても、空気が意図しないすき間から出入りしてしまい、計画的な換気ができなくなります。

たとえば、冬に冷たい空気がすき間から入ってきて、暖房効率が落ちる…なんてことも。

つまり、「高性能な換気システムを入れるなら、まずC値を良くすることが大前提」なんです。

気密が高ければ、換気はより効率よく、計画通りに働きます。

3-2.断熱材の性能と温度差による結露対策

断熱材は、室内と外の温度差を減らすことで、冷暖房の効きやすさをサポートしてくれる存在です。

でもそれだけでなく、実は「結露を防ぐ」という重要な役割もあります。

断熱が不十分な場所では、冬になると外気で冷やされた壁の内側に、室内の暖かく湿った空気が触れて水滴になります。

これがいわゆる「内部結露」。放っておくと、構造材を腐らせたり、カビが発生したりと、家の寿命を縮める原因になってしまうんです。

しっかりとした断熱材を入れて、温度差をできるだけ抑えることで、こうした結露のリスクを減らすことができます。

そしてさらに、適切な換気が加わることで、湿気をこもらせない「健康な空気環境」がつくれるのです。

3-3.24時間換気を「きちんと機能させる」工夫が必要

2003年以降、新築住宅では「24時間換気システム」の設置が義務づけられています。

しかし、「付けただけ」「動かしているだけ」では、換気の本当の効果は発揮できません。

たとえばこんな落とし穴があります。

  • フィルターが汚れていて空気が通りにくい
  • 吸気口・排気口の位置が悪く、空気の流れがスムーズでない
  • 換気扇の風量設定が弱すぎて、実質的に意味がない

これを防ぐためには、家づくりの段階で「空気の流れ」をしっかり考えることが大切です。

間取り・設備・気密性のすべてをバランスよく設計してこそ、24時間換気がしっかり働き、「こもらない家」になります。

まとめると…

  • 高気密(C値が小さい)だからこそ、換気が効率よくなる
  • 高断熱で温度差を抑えれば、結露リスクも大幅ダウン
  • 24時間換気は「設置するだけ」で終わりじゃない!

断熱と換気は、まるで車の両輪のような存在です。どちらかだけを重視しても、家の快適さは成り立ちません。

しっかりバランスの取れた設計が、何十年と心地よく住める家をつくります。

4.換気計画で後悔しないための3つのチェックポイント

「24時間換気システムは入ってるから大丈夫」と思っていませんか?

実は、換気計画がうまくいっていない新築住宅も少なくありません。

いざ暮らし始めてから「なんだか空気がよどんでいる」「カビっぽいにおいがする」と感じてしまうことも。

ここでは、家づくりの段階でぜひ確認しておきたい“換気のチェックポイント”を3つご紹介します。

4-1. フィルター掃除がしやすい設計か?

換気システムは、年中ずっと空気を吸い込んで吐き出しているので、フィルターが汚れやすいのが当然です。

ホコリや花粉が溜まれば、換気の効率はガクッと落ちてしまいますし、空気の質も悪くなります。

でも意外と「高い場所についていて掃除できない」「カバーを外すのが面倒」といった声も多いんです。

【ポイント】

  • 吸気口・排気口の位置が、手が届きやすいか確認
  • フィルターの掃除方法を事前に聞いておく
  • 自分でメンテナンスしやすいタイプかどうかを比較

「後から掃除が大変すぎて使わなくなった…」とならないように、設計段階でチェックしておきましょう。

4-2.空気の流れ(吸気と排気のバランス)が取れているか?

せっかく高性能な換気システムを入れても、空気の通り道が悪ければ効果は半減します。

たとえば、給気口はリビングにあるのに、排気口がすぐ隣だと「部屋の空気がちゃんと循環していない」なんてことも。

【ポイント】

  • 給気口と排気口の位置関係が適切か
  • 寝室やクローゼットなど「湿気がこもりやすい部屋」にも換気が通っているか
  • 家全体で空気がぐるっと回る“空気の動線”が意識されているか

これは図面だけ見てもわかりにくい部分なので、住宅会社に「空気の流れがどうなるか」説明してもらうのがオススメです。

4-3.窓換気との併用設計になっているか?

「24時間換気があるから窓を開ける必要はない」…これはちょっと極端な考え方。

確かにシステム換気は常時運転してくれますが、季節の良い時期には「自然の風」を取り入れたいですよね。

そこで大事なのが、風が通り抜ける“窓の配置”です。

風の入り口と出口があってこそ、自然換気はスムーズに行えます。

【ポイント】

  • 向かい合う窓を配置できているか(特に南北)
  • 高窓・吹き抜け窓などを活用して上昇気流が抜ける設計か
  • 隣家との距離・風の通り方も事前にイメージしておく

窓換気と機械換気を上手に組み合わせることで、空気の質を高め、電気代の節約にもつながります。


換気は「設置すること」よりも、「ちゃんと働くこと」が大事。

そのためには、フィルター掃除のしやすさ、空気の流れ、窓との連携といった実生活に直結する視点が欠かせません。

家は長く住むもの。

住み始めてから「換気、もっとちゃんと考えればよかった…」と後悔しないよう、設計段階から細かいところまでこだわっておくのが正解です。

5.元住宅営業マンの場合

三種換気です。

理由は:

  • 花粉症ではない
  • 窓を開けたい

断熱は現場発泡ウレタンなので、換気は一種換気にしようかと思っていましたが、コスト面で第三種を採用。

5年以上住んでますが、特に支障はありません。

6.まとめ|断熱だけでなく、換気にもこだわった家づくりを

まとめ
  • 断熱+気密+換気の三位一体で「本当に快適な住まい」が実現する
  • 高性能住宅の性能を最大限に引き出すには、換気設計がカギ
  • 「換気を軽視した結果、後悔した…」という声は意外と多い

ここまで読んで頂きありがとうございました。

貴方にとって良い一日を~まめおやじ

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この記事を書いた人
まめおやじ

元住宅営業マンが、業界在籍34年の経験を活かし、これから家を考えている人に役立つ情報を発信するブログ。

自宅:木造平屋(2019年築)受賞歴あり
経歴:大手木質系プレハブ会社
   大手鉄骨系プレハブ会社
   木造在来工法ビルダー
資格:宅建士
   ファイナンシャル
   プランナー

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